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【vol.77】『相続不動産の事前対策時のポイント』

東京都新宿区高田馬場で、不動産仲介と不動産鑑定評価を行っている不動産パートナーズ株式会社という不動産会社の代表を務めている不動産鑑定士の三輪歩己と申します。
相続分野におきましても、相続診断士として、不動産という側面から一つでも多くの笑顔相続を迎えられるよう活動を行っております。

今回は、不動産仲介として関わって、売主様・買主様双方が相続不動産事前対策をきっかけに笑顔相続に一歩近づいた事例をご紹介したいと思います。

税理士さんを通じて、大阪にある収益物件の売却のご依頼をいただいたことが始まりでした。

<売主様>70台後半のお母様
売主様のご希望は、現在東京にお住いであり、遠方で管理が大変であるため、大阪にある不動産を売却したいということでした。特に相続人となる長女様が大阪にある不動産の管理に難色を示されており、お母様としてはその希望をかなえてあげたいということでした。

売却活動をすると程なく購入希望者様が現れました。
<買主様>土地:60台男性経営者(個人)、建物:左記個人による経営の法人
関西在住の買主様は、相続事前対策のため、収益不動産購入をご希望されておりました。

ここでのポイントは、不動産の管理は手間がかかり、所在が遠方になると大変であるという点と相続税の事前対策で不動産を購入する場合は、節税対策だけでなく、購入後安定的な収益を得られ、同時に納税資金対策にもなる収益不動産がより望ましいということです。
本件の買主様は経営の安定化に資することを目的とし、建物を法人で所有し、節税目的で土地を個人で取得しました。
これですんなり契約成立かと思われたのですが、売主様が保有しているとおっしゃっていた「建物検査済証」を紛失していたり、契約の直前まで「建物竣工図」が見付からず、苦労して書類の捜索をしていただきました。遠方の不動産の場合、書類がどこに保管されているかが分からず書類を探すだけでも、多く時間を要す場合もあります。「建物検査済証」、「建物竣工図」のような重要な書類は、不動産の遵法性や価格にも影響を及ぼすため、しっかりと事前に確認することもポイントとなりました。

この場合は、事前対策の段階であったため、時間をかけて問題を解決することも出来ました。これが相続発生後の対応であったらこうはいかなかったかもしれません。
笑顔相続を迎えるためには、相続対策は出来る限り早めに始めることが重要であることの分かりやすい事例です。

本件では、売主様、買主様の双方の相続対策につながり、双方に喜んでいただけ、笑顔相続に近づくことができました。

最後にこのコラムが相続診断士の皆様のお役に立て、争族が一つでも少なくなり笑顔相続につながれば幸いです。

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