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【vol.81】相続Q&A~隠ぺい等に係る財産の配偶者に対する相続税額の軽減~

質問

被相続人から相続又は遺贈によって財産を取得した子(A)は、被相続人の配偶者(乙)の課税価格の計算の基礎となる財産1,000万円を隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づいて、相続税の申告書(相続人は乙とA、課税価格の合計額2億円)を提出していましたが、税務調査により、当該隠ぺい財産が把握され、その後、当該隠ぺい財産を含めて遺産分割(乙の課税価格7千万円(隠ぺい財産1千万円を含む)、Aの課税価格1億4千万円)を行いました。
乙及びAは、上記の事実に基づいて更正の請求及び修正申告の提出をしようとしていますが、その場合、配偶者に対する相続税額の軽減の基礎となる「課税価格の合計額」及び「配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額」は、いくらとなりますか。

回答

納税義務者の隠ぺい又は仮装により過少申告があった場合の配偶者に対する相続税額の軽減の金額の計算においては、その計算の基礎となる相続税法第19条の2第1項第2号に規定する「課税価格の合計額」及び「配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額」とは、「課税価格から隠ぺい仮装行為による事実に基づく金額に相当する金額(当該配偶者に係る相続税の課税価格に算入すべきものに限る)を控除した残額」とされています。
したがって、本事例の隠ぺい財産1千万円は、配偶者(乙)が取得しているため、「課税価格の合計額」は2億円、「配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額」は6千万円となり、隠ぺい財産については相続税額の軽減を受けられないことになります。
(国税庁 質疑応答事例より)

教訓

昨今の税務調査では、配偶者名義の現預金を被相続人の相続財産と認定する傾向があります。
結婚して40年間、専業主婦で、預金残高数千万円というような場合には、その金額の出どころが本人の収入や先の相続によって取得したものであっても、調査の対象となると考えてよいでしょう。
調査の際に事実と違う認定をされないよう、不安な場合には税理士に相談するようにしましょう。


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