相続診断協会は、相続診断士の認定発行・教育・サポートを行っている機関です。

相続診断協会相続診断協会
0366619593

【vol.73】相続Q&A~相続により取得した未上場株式を売却したら~

質問

主人の相続で、主人の親戚が経営する会社(未上場)の株式を取得しました。
私が持っていてもしょうがないなと思っていたら、その親戚から株式を買い取る旨の連絡がありました。
1株20万円、総額100万円で買い取ってもらったのですが、この収入について、税金はどのように申告したらよいですか?

回答

株式を売却した場合には、売却した日の属する年の翌年2月15日から3月15日までの間に確定申告をし、税額が生ずる場合には納付を行う必要があります。
株式の売却に係る税額の計算式は以下の通りです。

(株式の売却金額-株式の取得費)×20.42%

通常、株式の取得費は、株式等を取得したときに支払った払込代金や購入代金ですが、相続により取得した場合には、被相続人がその株式を取得したときの取得費を引き継ぎます。
しかし、売却した株式を取得した時期が古いなどのため、取得費がわからない場合には、取得費の額を売却金額の5%相当額(100万円×5%=5万円)とすることができます。
また、実際の取得費が売却金額の5%相当額を下回る場合も同様です。

このほかに、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合には、相続の際に負担した相続税の一部についても、取得費として加算する特例(相続税額を取得費に加算する特例)や、売却先がその株式の発行会社(未上場)であっても、売却金額の一部が配当所得とみなされない特例(譲渡対価の全額を譲渡所得の収入金額とする特例)もあります。

教訓

未上場会社には、自社株式の分散を防ぐために、相続等により、譲渡制限株式を取得した者に対し、その株式を発行会社に売り渡すことを請求する旨(相続人等に対する株式の売渡請求)を定款に記載している場合もあります。
既に相続税を支払っていても、株式の相続と株式の売却は別個の行為であり、後者には譲渡所得税の対象となりますので、くれぐれもご注意ください。


バックナンバー

PAGE TOP