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【vol.35】相続Q&A~孫への贈与と生前贈与加算~

質問

生前贈与を行う場合に、子に対して贈与するよりも孫に対して贈与した方が相続税対策になるそうですが、これはなぜでしょうか?留意点と併せて教えてください。

 

回答

相続により財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産を加算して相続税を計算します。これを生前贈与加算といいます。

 

通常、子は相続人の地位を有するため、親である被相続人から生前に贈与を受けていた場合には、生前贈与加算の制度により、被相続人が亡くなる前3年以内に贈与を受けた財産は、相続財産に加算されてしまうため、相続税対策にならないことがあるのです。
一方で、子がいる場合に、孫は相続人の地位を有しないことから、孫が相続開始前3年以内に贈与を受けても、相続により財産を取得しないため、生前贈与加算の適用を受けることはありません。
これが子よりも孫に贈与すると相続税対策になると言われる所以です。
しかしながら、孫であっても例外的に生前贈与加算の制度の適用を受けることがあります。以下、適用を受けるケースをご紹介します。

 

1.代襲相続人として財産を相続する場合
子である相続人が親である被相続人の相続開始前に亡くなっている場合において、孫が代襲して相続人の地位を有することにより、相続により財産を取得したときは、その孫は生前贈与加算の適用を受けることになります。

2.遺言に基づき財産を取得する場合

1以外の孫であっても、被相続人の遺言に基づき、遺贈により財産を取得したときは、その孫は生前贈与加算の適用を受けることになります。

3.生命保険金の受取人となっている場合
1および2以外の孫であっても、被相続人が保険料を払い込んでいた生命保険契約の受取人として保険金を受け取ったときは、遺贈により財産を取得したとみなされ、その孫は生前贈与加算の適用を受けることになります。

 

教訓

生前贈与加算の制度は「子だから適用があって、孫だから適用がない」のではなく、あくまでも「相続または遺贈(みなし遺贈を含む)によって財産を取得するか、しないか」でその適用の有無を判断します。相続税対策に有効になると思って贈与したが対策になっていなかった、というような事態に陥らないためにも、対策に際しては、相続診断で贈与者と受贈者の関係をきちんと確認するようにしましょう。

 

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