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【vol.32】相続Q&A~平成28年度税制改正について~

質問

平成28年度税制改正では、具体的に、これまでとどう変わるのでしょうか?

 

回答

平成27年12月24日、平成28年度税制改正の大綱が閣議決定されました。消費税の軽減税率をはじめ、法人税率の引き下げや、設備投資への優遇措置など、本改正の内容は多岐に渡ります。相続税や贈与税の制度に関して大幅な改正はなかったものの、相続実務に影響を及ぼす改正はいくつかありましたので、ご紹介いたします。

 

1.空き家に係る譲渡所得の特別控除の新設

相続により生じた空き家で旧耐震基準しか満たしていないもの(昭和56年5月31日以前に建築された家屋)について、相続人が必要な耐震改修又は除却を行ったうえで家屋又は土地を売却した場合(譲渡対価の額が1億円を超える場合を除く。)には、譲渡所得より、3,000万円の特別控除を適用することができます。

 

2.住宅の三世代同居改修工事等に係る所得税の税額控除の新設

  所有する居住用家屋について、三世代同居に対応するための改修工事(50万円超に限る。)を行った場合において、借入金を利用して行ったときはその工事費用(250万円を限度)に相当する借入金の年末残高の2%をその年分以後5年間の各年分の所得税額から控除できます。また、当該改修工事を自己資金で行ったときは標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%をその年分の所得税額から控除できます。

 

3.遊休農地に対する固定資産税の課税強化

農地委員会から農地中間管理機構との協議の勧告を受けた遊休農地について、平成29年度以降は、農地売買の特殊性を考慮し正常価格に乗じられている割合(平成27年度は55%)が乗じられないこととなります。(平成27年度で試算した場合、固定資産税額が約1.8倍になります。)

 

教訓

平成28年度税制改正項目ではないものの、昨年までに決定されたものとして、給与所得控除額の上限額引き下げや住宅取得等資金の贈与税の非課税枠の縮小、金融所得課税の一体化など、平成28年1月以降に予定通り実施されています。いずれも相続実務に影響を及ぼす内容ですので、改正項目と併せて確認しておきましょう。

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