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【vol.142】相続Q&A~相続相談を受けた際の、良い提案の秘訣とは~

質問

3人の子がいる70代前半のご夫婦から相談を受けました。
先祖から引き継いだ400坪超の土地に30年前に賃貸用マンションを新築(建築費5億円・融資利用)
現在、不動産の名義はすべてご主人。マンションの賃貸は、ご主人の個人事業として。
年間の総賃料は約4,000万円で、経費を引いたあとの損益は約1,500万円。
これに対して、年間の銀行返済は約1,200万円。
利益から借入返済と納税を行うと、ほとんど手元にお金が残らないため、常に不安な気持ちを抱えているそうです。
利益に対する税金を抑えるために、資産管理会社を建てる提案してみるのはどうでしょうか?

回答

解決策を導き出す前に、もう一歩踏み込んだヒアリングが必要です。
まず、この不動産について、将来的に三人いらっしゃるお子さまのうち、どなたが、どのような形で承継されるご予定か、お決まりでしょうか。
さらに、その次の世代については、どなたが継ぐことになりそうでしょうか。お孫さまはいらっしゃいますか。
一口に「資産管理会社に不動産を持たせる」といっても、そのためには一定の移転コストがかかります。
そのコストをかけてでも、それが“笑顔相続”につながる対策であるならば、検討に値するかもしれません。
しかし、将来の承継の「出口」が明確でないままでは、適切な判断を下すことはできません。

教訓

良い提案のためには、良いヒアリングが欠かせません。
相談内容をまずはしっかりと受け止め、その上で、表面的な問題にとどまらず、その根底にある本質的な課題を冷静に見極めることが重要です。
特に、先祖代々受け継がれてきた不動産や自社株式などが関係する場合には、次世代のみならず、次々世代への承継までを見据えた対策が求められます。短期的な視点での対応では、かえって問題を複雑にしてしまう恐れがあるため、長期的・多角的な視野での対応が不可欠です。
そのためにも、まずは「ヒアリング力」を身につけることが大切です。相談者の真のニーズを引き出し、最適な提案につなげていきましょう。

 


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