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【vol.124】相続Q&A~事業承継税制の打ち切りについて~

質問

某芸能事務所が、事業承継税制関連で話題になっていますが、何があったのでしょう?

回答

法人版の事業承継税制は、後継者である相続人等が、経営承継円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等相続等により取得した場合において、その取得した株式等に係る相続税について、一定の要件のもと、その納税が猶予・免除される制度です。
平成30年度税制改正では、これまでの措置に加え、10年間の時限措置として、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引上げ(80%から100%)等がされた特例措置が創設されました。
今回の報道では、前社長が社長を辞任しても、代表取締役に留まったことで、先代の相続税にかかる事業承継税制の継続を目的としてではないかとの指摘がなされました。
本制度は、相続税の申告期限から5年間は「事業継続期間」とされ、この間に代表権を持たなくなったり、株式を売却したりすると、制度は打ち切りとなり、それまで猶予されていた数百億円にものぼる相続税に利息(利子税)を付して納めなければならなくなります。

【教訓】

制度の利用を継続することで、猶予された税額分を被害者に対する補償に充てるというのであれば、一定の理解も得られたでしょう。事業承継税制自体は、ケースによっては中小企業の世代交代を後押しする有用な制度です。この一件で、変なイメージがつかないことを祈るばかりです。

 

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