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【vol.118】相続Q&A~贈与税改正により、連年贈与はどうなりますか?~

質問

以前、子を契約者にして生命保険に加入し、その保険料相当の現金を親から子へ贈与していました。
毎年の贈与額は年間110万円以下でしたので、子に贈与税はかかっていませんでした。
このたびの税制改正で、暦年課税贈与については、最長で相続開始前7年間、相続税の計算に含めることになりました。
今後はどうしたらよいでしょうか?

回答

令和5年度税制改正において、相続または遺贈により財産を取得した方が、相続開始前7年以内(従前:3年以内)に被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与財産を相続財産に加算して相続税を計算することとなりました。

今回の改正により、毎年110万円の現金を子に贈与することによる、相続税の節税効果は、これまでよりも期待できなくなります。
「相続税の節税にならないのなら…」という理由で、今後は贈与をされなくなる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ご質問にあるような、いわゆる「保険料贈与プラン」による贈与の場合には、契約者である子に保険料を支払うだけの資力がないと、贈与を行わなくなった途端、途中解約や払い済みにすることにより、当初見込んでいた保障を維持できないことになります。

毎年の贈与も維持しつつ、相続税の節税も期待するのであれば、今後は相続時精算課税制度の利用を検討してみてもよいかもしれません。
今回の改正で、本制度にも年間110万円の控除が創設され、この控除の範囲内であれば、贈与税もかからず、相続開始前7年以内の贈与であっても、相続財産に加算して相続税が計算されることはありません。

教訓

「資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築」を目指して行われた今回の改正ですが、相続時精算課税制度に基礎控除の余地が残されたのは、今回のようなケースへの配慮もあると考えます。
しかしながら、今後、さらなる制度改正がないとも言えません。
節税に偏らない、笑顔相続実現のための提案にシフトしていきましょう。

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