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【vol.107】相続Q&A~判断能力が低下した高齢者が契約を取り消せる場合とは?~

質問

高齢の父がたびたび高額の買い物をするようになり、成年後見制度(補助や保佐)の利用を検討しています。
判断能力が低下した高齢者のした契約をさかのぼって取り消せる場合があると聞きましたが、それはどのような場合なのでしょうか。

回答

判断能力が全くない場合には、そのような人がした契約は無効となります(民法第3条の2)。

では、「判断能力がまったくないわけではないけれど、著しく低下しており、そうかといって保佐や補助の制度を利用していない」という状況の高齢者がしてしまった買い物などの契約を取り消せる場合があるのでしょうか。

消費者契約法第4条第3項5号により、以下の要件を満たして結ばれた契約については、取り消すことができます。
① 顧客が、加齢又は心身の故障により判断力が著しく低下していること
② そのために生計、健康等に関し現在の生活の維持に過大な不安を抱いていること
③ 事業者が上記①②を知っていること
④ 事業者が顧客に対して上記②の不安をあおり、契約を締結しなければ現在の生活の維持が困難となる旨を告げたこと

上記の要件を満たさなくても、消費者契約法には様々な類型の不当契約についての取消し・無効条項がありますので、消費者相談窓口、弁護士等の専門家、悪質な場合には警察にも相談してみましょう。

教訓

判断能力が低下した高齢者の保護については、法律の改正もよく行われますし、「判断能力が低下した高齢者」と銘打っていなくても違った角度から救済が可能な場合もあります。あきらめずに全ての扉をノックしてみましょう。
高齢者の財産をしっかり守ることは、笑顔相続への第一歩です。

さらに詳しい解説はこちらの動画もご覧ください
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