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【vol.105】相続Q&A~遺言書で指定された受遺者が先に亡くなったら?~

質問

遺言書を書こうと思い、遺産の分け方について案を作ってみました。
私が亡くなった場合の法定相続人は長男1人です。
「① 長男に自宅土地建物と私の経営する会社の株式と預貯金を相続させる。
② 兄と姉に有価証券を半分ずつの割合で遺贈する。」
ふと思ったのですが、兄や姉が私より先に亡くなった場合、遺言書で彼らに遺贈するとしていた遺産はどうなるのでしょうか。
私としては、幼いころから親代わりに私の面倒を見てくれた兄や姉への感謝の気持ちがあるので、その子ども達(甥や姪)に遺産を渡したいと思っています。

回答

このケースでは、兄や姉が遺言者より先に亡くなった場合、甥や姪ではなく長男がその遺産を相続することになります。

本件の質問者のような疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
この点はとても誤解の多いところで、
「兄や姉が自分より先に亡くなっていたら、兄や姉の相続人である甥や姪に自動的に遺産が渡される」
と思い込んでいる方がよくいらっしゃいます。

でも、実際は
「兄や姉が自分より先に亡くなっていたら、その部分の遺言はなかったものと同じになり、兄や姉に渡すとされていた遺産は遺言者の法定相続人(長男)が相続する」
ということになります。

甥や姪に遺産を渡したかったら、
「兄や姉が自分より先に亡くなっていたら、その子ども達に遺贈する」
という趣旨の「第2順位の受遺者」を遺言書の中で定めておく必要があります。

教訓

相続対策については「思い込み」にとらわれているケースも多く、いざ相続が発生してから「こんなはずじゃなかった」と後悔することもよくあります。
念のため専門家に確認してから相続対策を進めていきましょう。

 


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