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第6回 現状の把握・備忘録はいざという時にも役立つ ~もの・こと~

こんにちは、武藤頼胡です。GWの最中にこちらを寄稿しております。この仕事にはあまり関係ないお休みですが、世間の皆さんが楽しまれていると私もワクワクします。

今回はこのテーマです。
現状、「もの」「こと」があります。まずは「もの」ですが、これも「物」「者」があり、一番考えやすい「物」から始めてみましょう。

自分がどのくらいの物を持っているのか、目に見える範囲はすぐにわかりますが、あまりそこを意識したことがないと思います。
最近実家を片付けたいがどうしたらよいかなどの相談も増えてきました。その片付けの第一歩としてどのくらいの物をどれだけ持っているかを知ることは重要です。
私も思い切って7年間着ていない洋服(礼服などを除く)を出してみたら大きな紙袋に二つもありました。また靴も同様で少し痛くなるものなどは全く履かなく、そんなものが5足も。
何が不要か?と考えると思い出がある、高価だったからなどいろんな理由をつけて結局は処分できないのですが、単に物の把握ということで、「〇〇年使っていない」などの決まりで把握していくと結局はそれだけでも整頓ができていく場合も多いです。
これは家中のものすべてです。洋服、靴、アクセサリー、手袋やマフラーの小物。キッチンは食器、調理器具、電化製品、押し入れに布団が何組あるのか。二人暮らしだけど10組の布団があるなんてお宅もいらっしゃいました。
「物の現状把握」のコツは物によっての適量数や使用頻度からの未使用年数を決め、それに対してどうなのかを洗い出すことです、ぜひやってみてください。

次に「者」、お付き合いしている方々の情報を何かに書いていますか。私は息子がおります、年始ですと年賀状をいただきますが息子はこの中の数名しか知らない、つまり私の人間関係を全然把握していないということになります。
離れて暮らしているので致し方ないとは思います。そこで普段からエンディングノートにおつきあいのある方の連絡先を書いています。とはいえ全て書くのは困難ですので主な方だけです。
例えば学生時代ならこの人、趣味の仲間ならこの人などとしています。そうすると10名程度記載するだけになります。
また、年賀状は付き合いのあることを知ってほしい方のものは別保管しておくと良いです。

別のはなしですが、ここ数年、終活年賀状なるものがクローズアップされ、私もたくさんの取材を受けました。「もうあなたとは縁を無くしたいので年賀状も出しません」というものです。
私はそれを敢えて送る必要はないと思います。年々行動の範囲も狭くなり、お付き合いの範囲も狭まる中で年を取ってからの孤立を避けるためにもご縁は大切です。
無理に嫌な方と深く付き合う必要はありませんが、いつ何時だれが助けてくれるかはわかりません。そっとしておくだけでよく、よっぽどの人は別として私も人生で出会った方の中には気の合わない、勘違いの方、様々な方がおりますがそのご縁があって今の自分だと思っています。
来年の年賀状を書く時期になりましたら少しこのことも思い出してほしいです。

さて次にいきます、「こと」です。ことも「事・言」があります。ここではまずは「事」、今通っているカルチャークラブやお稽古事。自分の財産のこと、体のことにします。
私はパソコンのデータで趣味や通っているスポーツジム情報をまとめています。どこがあって費用が掛かる場合は毎月何日にどの方法で支払いっているのか、などです。自分が辞めるときにも役立ちます。
そして財産についてです。財産はプラスのものに限らずマイナスのものも含みます。銀行に預けているものやローンなどはわかりやすいですが、例えば何かの会員権や宝石などの金銭的価値のあるもの、他有価証券なども含みます。
エンディングノートには預金額を記載するものもありますが変動するのでそこは不要です。大事なのは、お取引をしている金融機関名と支店情報です。
今、銀行はネットバンクなどもあり必ずしも貯金通帳があるわけではありません。そうすると何かに記載しておかなければ誰も気づかないということもあります。
また有価証券も同じで取引会社をしっかり記載しておきましょう。もし担当者がいるのであればその方の名前や連絡方法、名刺を挟むのもいいかもしれません
突然の入院の時なども家族がスムーズに手だてができます。簡単な財産目録のようなものです。

この実践したことの体験を相談者さまにお話するこれがカウンセリングだと思っています。正しい答えを言う=正解とは限らないからです。
その家のことを知り、第一歩の提供をすること、これがプロの仕事なのです。次回は続きからです。

皆さん、本当に人生楽しんでくださいね、心からそう願っています。


執筆者名・プロフィール
一般社団法人 終活カウンセラー協会 代表理事
武藤 頼胡(むとう よりこ)様


【経歴】
終活カウンセラーの生みの親。『終活』という考えを普及するべく、全国の公民館や包括センター(行政)でのセミナー講師を担い、一人一人に「終活」を伝えている。
テレビ、新聞、雑誌などメディアへの掲載多数。
自分自身も終活カウンセラーとして、毎月巣鴨、浅草に立ち、アンケート活動を実施したり、その年代の方からの相談ごとを聴いている。
「全てのものとコミュニケーションの起きる場に」をモットーに同じ立場、同じ歩調を大切に日本の高齢者を元気にする活動に励む。

リンテアライン代表取締役社長
一般財団法人葬務振興会理事
一般社団法人全国遺言実務協会顧問
明海大学外部講師

【メディア出演】
2022年11月現在
NHKラジオ マイあさ終活回レギュラー
RBCiマイライフマイタイムレギュラー
日本農業新聞連載中(7年目)

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