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第4回 人生の棚卸しをすると良い~エンディングノート~

こんにちは、武藤頼胡です。
もうすぐお彼岸です。彼岸とは聖地ガンジス川での死者の供養の時の話に遡る話がルーツという説もあります。
川のほとりで火葬してその灰が向こうの岸、すなわち彼岸につく、つまり「あの世」を表していると。
お墓参りはご先祖様に会いにいく、自分の心を整える機会です。ぜひお参りください。

今回は終活の第一歩としてお勧めしたいことをお話しします。それはこの終活を取り掛かりやすくなる、エンディングノートについてです。
またそのエンディングノートの一番に考えてほしいことがあります。それが「人生の棚卸し」です。

私は年間120回くらい講演を致しますが、その中で少し人生の棚卸しに触れることを入れております。
それは、「今までの人生を漢字一文字で表すと?」ということです。これ、人生に振り返りに結構適していると思います。
どうですか?「人生を振り返りましょう」と言われても何からしてよいのかわかりませんが、今までの人生を漢字一文字で例えるなら印象にあることがでたり、人生の総括を考えたり、人によってまとめ方は様々ですが考えやすくなると思います。

先日の出来事、私は大学の講師をしておりますがその教え子にエンディングノートを書く授業をしました。何の先生かと言いますと、就職活動を支援しております。リクルートの就活です。
それでなんでエンディングノート?と思われがちですが、、、。なぜ働くのか?という目的を大学生に聞くと、社会に出るからとか、社会人は働くものだからなどという言葉は違えどもこんな答えが返ってきます。
しかしこのエンディングノートに向き合い、自分にも向き合い、ということをしていくと、なぜ働くのか?の質問に対して「自分の人生のために働きます」という意図に変わります。

前回、私の含む大学生全員と人生の棚卸しを80分行いました。そしてその感想を発表しました。その時の男子学生の言葉が印象的でした。
「僕はぜひこの今までの人生を漢字一文字で例えるとを発表したい」とのことでした。

僕の漢字は「恵」です。経済的にも環境もまわりもすべてに恵まれてきました。幼少期に水泳を習いたいというとすぐに始めさせてもらいました。友達もまわりにいて楽しかったことも多く、今も自分の好きな大学に行き、自分の就職したいところでアルバイトもしています。これだけ恵まれているのは親やまわりの方、友人のおかげたと改めて思いました。本当に感謝しています。

こんな発表でした。もちろん生きていれば嫌なこともあっただろうし、楽しいことだけではないと思いますが、こうやっていろんな方の力だということを感じたら、これからの人生で落ち込むことがあったり辛くて先の見えない出来事があっても、必ず自分で立ち上がり最終的にはしっかり人生を生きる人間になるように思います。
私も今52歳ですが、生まれた時からこうだったわけではなく、いろんな人生の出来事があって今の自分が形成されたと思います。そこを知ることはこれから歩みたい人生を考える一歩だと思っています。

最近の出来事は頭にあるのですが、お世話になった方でも最近、その方とうまくいかない関係性になるとつい「この人は…」など思ってしまう自分がいます。実は3年前にすごくお世話になったのに。。。
それが悪いわけではなく、過去の事実もしっかりと自分というものを形成する要素になっていることを認識したいものです。

私はこの人生の棚卸しをすると「会いたい人!」がでてきます。あんなにお世話になったのに忘れていたなど。そしてその方に会うための壮大が計画が出来上がります。
まずは自分がすごい人となっていたいなどつい見栄を張るので、私自身が事業を成功している、充実した人生を歩んでいるなどを整えようとします。
そう考えるとこれからの人生をどう歩むかによって必要なお金も変わってくる。そこの設計が始まります。
動機が不純かもしれませんが、動機は何でもいいと思っています。それがこれからの人生に役立つことであれば。
そうなると稼ぐ手段を考えます。いつまで働くのか。このままでいいのかなど。これだけではありませんが、こうやって実は過去を振返ることで未来が決まることが多々あるのです。

実はエンディングノートのイメージは「お葬式やお墓のこと」と思っている方が大半ですが、私は毎年誕生日(実は覚えやすい1月23日です。)から書き始めて今9冊目です。
これだけ書いていると感じます、エンディングノートは死ぬためのことを書くのではなく、これからの人生を考えるための良いツールだと思います。
そのこれからを考えるために人生の棚卸しをするのです。お葬式もお墓のことも自分の未来のこと。死んでからのことではなく、生きた証です。

エンディングノートはカテゴリで分かれています。
介護や財産、体のこと、お葬式やお墓、遺されるものへのメッセージ。
でも実は、私が考えるエンディングノートは「過去・現在・未来」このように分かれていて、とても書きにくい、どう考えて良いのかわからないところは「未来」なのです。

いかがですか、今まで縁起でもないということで知るすべがなかったこの分野。知識もないし何からどうやって始めればよいか、これは先輩方でも私のような若輩者でも同じです。
その道しるべとなるエンディングノートに沿って学んでいきたいと思います。
手に入れる方法としては、書店で購入、葬儀社や保険会社でも貰えます。社会福祉協議会や包括センターでも地域によっては作成していたりします。大学ノートでも構いません。
60歳以上のアンケートによると、エンディングノートを書きたい方、60%で、実際書き始めた書き終わった方、12%です。
心理学の先生に聞きました。何か一つでも記入すると「書く気になる」そうです。
ぜひ次回までにご用意いただき、せめて名前を記入していていただくと「書くぞ」という意欲と共にこの記事をお読みいただければと思います。

三寒四温の季節、どうぞ元気にお過ごしください。


執筆者名・プロフィール
一般社団法人 終活カウンセラー協会 代表理事
武藤 頼胡(むとう よりこ)様


【経歴】
終活カウンセラーの生みの親。『終活』という考えを普及するべく、全国の公民館や包括センター(行政)でのセミナー講師を担い、一人一人に「終活」を伝えている。
テレビ、新聞、雑誌などメディアへの掲載多数。
自分自身も終活カウンセラーとして、毎月巣鴨、浅草に立ち、アンケート活動を実施したり、その年代の方からの相談ごとを聴いている。
「全てのものとコミュニケーションの起きる場に」をモットーに同じ立場、同じ歩調を大切に日本の高齢者を元気にする活動に励む。

リンテアライン代表取締役社長
一般財団法人葬務振興会理事
一般社団法人全国遺言実務協会顧問
明海大学外部講師

【メディア出演】
2022年11月現在
NHKラジオ マイあさ終活回レギュラー
RBCiマイライフマイタイムレギュラー
日本農業新聞連載中(7年目)

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