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第3回 人生100年時代をより豊かに生きるために~その2 元気で過ごすために~

明けましておめでとうございます、武藤頼胡です、本年も宜しくお願いします。
この新年の挨拶、15日までとされています。少々月までということです。その日はどんど焼きや門松をしまうのですが、最近はこのような風景もめっきり少なくなりました。日本の年中行事も大事にしていきたい、これも終活です。

さて、人生が100年だとしたら一番に心配なのは、体のことではないでしょうか。「元気に100歳まで生きたい」そう思うのは当たり前です。これは皆さんも思っていらっしゃるところでしょう。
では少しだけ私に時間をいただきぜひお読みください。

いわゆる健康寿命をどう伸ばすのかというところは気になります。
今厚生労働省で「スマート・ライフ・プロジェクト」という健康寿命を延ばしましょうという国民運動を提唱しています。
私が代表を務める終活カウンセラー協会も応援企業として賛同しております。例えば「毎日の運動を10分増やしましょう」、ということでエスカレーターを使わず階段を使うとか。苦しくならない程度に早歩きをしましょうなどです。
他にも「1日あと70グラムの野菜をプラス」
70gというとトマトなら半分、ホウレンソウは3株、キュウリなら2/3程度を今より増やすだけです。
「禁煙でタバコの煙をマイナス」「検診・健診で定期的な健康チェック」などもあります。

皆さんも健康診断行かれていますか? 私、コロナが流行る前、8月に長良川の鵜飼いに行ったときに聞いた話です。
今、鵜飼いは漁のためではなく、イベントという位置づけです。5月には天皇家も楽しまれるそうで、要は献上鵜飼いということになります。そのため“鵜”は年に一度健康診断をしているそうです。自然にいる鵜は平均寿命7年ですが、この長良川の鵜はなんと平均寿命23年とのこと!どれだけ健康診断が大事であるか、鵜から教えてもらいました!

このように国を挙げて「どう生きるか」に力を入れ始めています。
覚えていますか、この終活とは「人生の終焉を考えることを通じて自分をみつめ今をよりよく自分らしく生きる活動」としています。
そう、今をよりよく生きるために先にある不安を解消しましょうというコンセプトです。

たびたびお話をした、うちの母。18年前に64歳のとき、がんで亡くなりました。
病気はいつなるのか?私は母をみてこの答えが明確になりました。
そう、病気は診察室に呼ばれ「あなたがんです」と告知を受けた瞬間からなります。具合が悪くなった時ではなくはっきりその病名を言われた瞬間からだと気づきました。
そしてそれまで出来ていた会話にも気を使い、話したいことも話せなくなる。だからこそ、こういう縁起でもない話しは元気だからこそできる、すなわち「今」だからしておく。これが大事です。

最近、私くらいの年代、40代からの相談が増えています。「親に終活を考えてほしい、エンディングノート書いてほしいけど切り出せない」こんな感じです。
親にはもちろん長生きしてほしいけど、長年一緒に暮らしていない親のこと、正直全然わからないのです。そのような相談の時に私はいつもいいます。

「親にだけ終活をさせるなんて思うからダメなんです、まずはあなたが自分の終活について考えて、親にも一緒にしようと伝えてみては?」と。

友達に「おいしいラーメン屋教えて」と聞かれて食べていないところを紹介しますか。自分が食べておいしかったから紹介しますよね、それと同じです。
自分が終活する、エンディングノートを書いてみてはじめて理解して勧めてください。ということです。

そして70代中心の先輩方が集まる講演の時には逆に、子供からこの終活を親にして!なんて言いにくいのでぜひ親のほうから「こういうこと考えているから聞いて」と話す場をもってください、とお伝えしています。

何が言いたいか。そうです、終活というのは「する」だけではダメです。それをきちんと生きている元気なうちに家族や大切な方に話さないと思いが伝わらないのです。
そしてお片付け、ペット、お金、お葬式やお墓などの手だてはエンディングノートを使ってしてください。
と話しておりますが、一番大事なのは「会話」をするということです。亡き母はもちろんエンディングノートはありませんでした。後悔しても仕切れないほどのことばかりです。

母が病気になる数か月前、母の家に夕方いくとずいぶん怒っていました。
「今日のバスの運転手、まったく頭にくる」というのです。
深く聞くと、お昼にバスに乗ったら3歳くらいの子供を連れた臨月くらいの妊婦のお母さん、バス代の小銭がなく、運転手に伝えると一旦降りてくずしてきてくださいと言われた。みかねた母は自分の小銭を「これあげるから使って」と言い、住所なども聞かれたが「困ったときはお互い様!」と伝えたそうです。
その出来事を数時間経っても怒っている母。その生き方が今でも私の人生の糧になっています。もちろん、お葬式のことも希望もいろいろ聞けたら一番よかったのですがこの会話で救われることがたくさんあります。
終活は死に支度であると共に生き支度、ぜひ「会話」を今日から始めてみてください。


執筆者名・プロフィール
一般社団法人 終活カウンセラー協会 代表理事
武藤 頼胡(むとう よりこ)様


【経歴】
終活カウンセラーの生みの親。『終活』という考えを普及するべく、全国の公民館や包括センター(行政)でのセミナー講師を担い、一人一人に「終活」を伝えている。
テレビ、新聞、雑誌などメディアへの掲載多数。
自分自身も終活カウンセラーとして、毎月巣鴨、浅草に立ち、アンケート活動を実施したり、その年代の方からの相談ごとを聴いている。
「全てのものとコミュニケーションの起きる場に」をモットーに同じ立場、同じ歩調を大切に日本の高齢者を元気にする活動に励む。

リンテアライン代表取締役社長
一般財団法人葬務振興会理事
一般社団法人全国遺言実務協会顧問
明海大学外部講師

【メディア出演】
2022年11月現在
NHKラジオ マイあさ終活回レギュラー
RBCiマイライフマイタイムレギュラー
日本農業新聞連載中(7年目)

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