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第2回 人生100年時代をより豊かに生きるために~その1~

皆さん、こんにちは、武藤頼胡です。
最近セミナー講師が増えて参りました。リアルで声を聞けるって本当に素晴らしいです。そして生活者の方々の知識レベルもどんどん向上しているのがわかります。
情報社会に知識だけではなく、「知恵」や「意義」をどう伝えていくか、ここが肝になるのではないでしょうか。

以前、ハワイに住む日本人の方向けに終活セミナーを開催したとき、70代の男性からこんなお話をいただきました。

「武藤さん、人生は後半戦が楽しみなんだよ!だって野球の試合も9回までどうなるかわからないだろ、だから人生も最後まで楽しみは続くんだよ」

と目をキラキラさせてお話しくださいました。
この方、なぜそんな考え方になったのか、私も興味があり聞いてみると、ご自身の人生の目標がしっかりありました。
80歳になったら●●へ行こう。85歳になったら●●をしようなど、先をみて生きてらっしゃる。やっぱり目標を持つと「楽しみ」に変わるのでしょうか。
終活とは長生き人生に「どう生き甲斐を持つのか」、そのためのものでもあるのです。

少し日本の社会背景をみてみましょう。今人口は約1億2500万人、2021年の死亡者数は約145万人です。そして生まれてきた赤ちゃん、すなわち出生数は約84万人です。
ご存じの通り日本の人口は年々減っていき高齢化も進みます。
令和47年には日本の人口予測、8808万人高齢化率38.4%となっています。
数字が大きすぎてわかりにくいのですが1億2500万人が8808万人になるということは、一都六県に住む方全員いなくなるとこの数字です。そのくらい人口は減るのです。
未来の社会を創っているのは今生きている私たち大人です。41年後、子供たち孫たちの時代、せめて今くらいの社会を残してあげたいと思うことも終活なのかなと思います。
また、高齢化率というのは、高齢者の人口の割合を指しています。
定義からすると65歳以上が高齢者となっています。実はこの定義、すごく古くて、1956年にWHOが65歳以上を高齢者と定めました。

突然ですが、「波平さん」て知っていますか。そう、サザエさんのお父様です。下の名前だけで日本国民全員が知っている有名人です。いつもお着物のいでたちで髪の毛を気にしているのが目に浮かぶかと思います。
波平さんはそんな風貌ですがおいくつに見えますか?
実は定年退職前なのでなんと、54歳です。
今と比べたらいかがでしょうか。
なんと俳優の江口洋介さん同じ年なんです。

サザエさんの連載が始まったのは1946年です。要は55歳くらいが波平さんのような見かけの時に作った高齢者という定義をまだ使っている、古いということです。
1956年頃の日本はまだ平均寿命が65歳くらいでした。今2022は平均寿命が約86歳、100歳以上が9万人以上いる中でこの定義を使っている、まさにご自身に当てはめないでいただきたいと思います。どう生きているかは定義と違い、人それぞれということです。

少し話がそれましたが…。では次に社会背景ということで、日本の世帯数についてです。
国勢調査(令和2年)によると日本の世帯数は約5583万件。そのうち65歳以上の一人暮らしは6,716,806世帯、5人に1人一人暮らし。
そして65歳以上の夫婦二人暮らしは6,871,284世帯。大きな社会問題となっています。
単純な私は65歳以上の一人暮らしの方々、一緒に住めばいいのになぁ、、、なんて思いましたが、生活となると家族でも大変な時があるのに、他人様だとハードルも高いかなというところでしょうか。

昔は「人の死」というものは地域のこととして手だてしていました。
私の田舎も昔は誰かが亡くなると、同じ組の女性が集まって外の水場で様々な準備をしたり、葬儀やさんと交渉をする係がいたりしました。
「人の死」は地域の問題だったことが、家族や夫婦で考えなくてはならなくなり、やがて一人暮らしが増えたということは、「自分の死については自分で考えなくてはいけない」社会背景からみても、この終活が必要になってきたと言えると思います。
あまり良い言葉ではありませんが「村八分」という仲間外れにするという意味のものがあります。
これはなぜ「八分」、要は八割なのか。そう、後の二割は「火事」と「お葬式」で、仲間外れにしている人でもこの二つの時には集まった、手助けしたという言葉の名残です。
しかし今は、お葬式だと「家族のみ」なんてこともあり、この言葉の名残が薄れてきてしまい、なんとも寂しい時代になってきたようにも感じますね。
そんな中でどう生き甲斐をもって生きるのか。ここは私たちが真剣に取組むべきテーマなのが見えてきたと思います。
まずはハワイに住む70代の男性のように、年齢ごとの目標を立てる、この辺りからされてはいかがでしょうか。未来が少し明るくみえるようになるかも知れません。
お正月はぜひご家族と終活についてお話しくださいね!


執筆者名・プロフィール
一般社団法人 終活カウンセラー協会 代表理事
武藤 頼胡(むとう よりこ)様


【経歴】
終活カウンセラーの生みの親。『終活』という考えを普及するべく、全国の公民館や包括センター(行政)でのセミナー講師を担い、一人一人に「終活」を伝えている。
テレビ、新聞、雑誌などメディアへの掲載多数。
自分自身も終活カウンセラーとして、毎月巣鴨、浅草に立ち、アンケート活動を実施したり、その年代の方からの相談ごとを聴いている。
「全てのものとコミュニケーションの起きる場に」をモットーに同じ立場、同じ歩調を大切に日本の高齢者を元気にする活動に励む。

リンテアライン代表取締役社長
一般財団法人葬務振興会理事
一般社団法人全国遺言実務協会顧問
明海大学外部講師

【メディア出演】
2022年11月現在
NHKラジオ マイあさ終活回レギュラー
RBCiマイライフマイタイムレギュラー
日本農業新聞連載中(7年目)

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