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【vol.96】笑顔の相続ってなんでしょうか?

名古屋市でファースト税理士法人の代表税理士の堀尾栄子です。
当事務所は「ワンストップサービス」をモットーにしています。
「あ~困ったな」という時に思い出していただける事務所を目指しています。

さて、最初のテーマに戻りますが、決まったものはなく、相続が終了した時に無事に終了しましたねと笑いあって終われて、こちらの事務所に相談してよかったと言われたらすごくうれしいですね。

親御さんが亡くなる前から相談がある場合、お亡くなりになった後から相談を受ける場合。
相続の基礎控除が縮小されて、相続に無関心だった方、誰に相談していいかもわからない方「あれ?税理士ってどこにいるの?」「税務署に相談行かないといけないの?」
と、事務所の前を歩いて恐る恐る入って見える方もいます。

え~、よく入って来てくれたなぁと感心しつつ、お顔を見るとすご~く緊張して、おまけに心配して、お話もちょっぴり支離滅裂。
「すごく心配していることがあるんです」
「何でしょうか?」
「母の預金、〇〇千万をもらったら市営住宅に住めませんか!!!」
「大丈夫です、住めますよ。…いやいや、住めなくなるなら○○千万はもらわないのですか?」
ご事情を伺っていくと、この方は引きこもりがちなお子様がいて、『市営住宅から出ていく』ということが怖かったのだそうです。
それから相続の流れを話して、色々なことを伺いました。
結局この方は住宅を出て建売を購入。その後空き家だったお母様のお家も売却をしました。

また、別のお話。
相続の前からこちらのご家族のことはよく存じ上げていました。長い間、製造業を営んでおられ数年前に会社は解散しました。その後、間もなく社長がお亡くなりになって当方で相続の申告をしました。お嬢様ばかりでその後が少し心配でしたが、事業も解散したために毎月伺うこともなく不動産収入の確定申告をするのみになったある日、社長の奥様もお亡くなりになったと社長のごきょうだいから一報が入りました。
ご連絡がお嬢様たちからではなかったので、少し様子を見るつもりで「社長のお姉さんからお母様が亡くなったと聞いたけど大丈夫ですか?」と伺ってみたところ、
「そう、おかあさん死んじゃったの」…と。
そのうちコロナ騒動がありながら、準確定申告までは何とか行いました。
しかしその後、突然連絡が取れなくなってしまったのです。
電話も出ない、ラインも既読にならない、お家にもいない・・・お手紙も出しました、やがて申告期限も過ぎました。

そして案の定、コロナの申告の延期も終わった夏に税務署から連絡がありました。
相続人の代表のお嬢さんに「電話も出なかったし、ラインも既読にならなかったですが体調は大丈夫ですか?」と伺ってみると。
「入院もしていたけど…堀尾さんの電話に出ちゃうと、おかあさんが亡くなったことを認めなくっちゃいけないから出られなかった」
『そうだったのか』とハッとさせられました。お気持ちの整理がつかなかったのでしょう。

その間、税務署はどういう態度だったかというと、
若い調査官が「財産があることがわかってて何故申告しなかったんですか!!!」
という強気な姿勢。
こちら側も、最初こそは
「隠すつもりは毛頭ありません、頑張って今から着手していきます」
と、やんわり優しく対応をしておりましたが、上記の強気な態度を崩さない対応に対して、
「親が立て続けに亡くなった人の気持ちがわからないような方が聞いたような口をきかないでいただきたい」と、お嬢様方のお気持ちを守る為に毅然と対応しました。
時間がかかったうえに未分割のままではありましたが、申告を行っております。

その後、三姉妹とゆっくりお父さん・お母さんの思い出話、当時の工場の様子などを話して、分割して特例の適用を受け更生の請求をして終わりました。

「やっぱり、堀尾さんに来てもらってよかった。あのままだったら何も手がつかず家の中もくちゃくちゃのままだったと思う」

ありがたい言葉です。
そして、泣き笑いの笑顔。
相続はお亡くなりになった方の想いを引き継いでいくものだと思います。

 

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