相続診断協会は、相続診断士の認定発行・教育・サポートを行っている機関です。

はじめまして。
税理士法人GrowUp　代表の越智崇実史（おち たかみち）です。当事務所は相続診断士協会のパートナー事務所として、司法書士とワンストップのサービスを提供する「滋賀相続相談所Ⓡ」というグループで活動しております。
グループでの活動として定期的な相続相談会の開催はもとより、地域社会のため通常あまり開催されないような僻地での相談会なども行ってまいりました。この時期（執筆時12月）は税理士事務所の繁忙期であるため出張の相談会は控えていますが、また春以降も年間行事として計画しています。

さて、私は税理士なので相続税の申告書作成が主たる業務ではありますが、やはり相続のために生前どうしておくのが良いのでしょうか？といったご相談を受ける事も多くあります。
この場合、節税を如何にするかという点に関心を持たれる事も多いのですが、まずは今後相続人となる者同士が関係性を悪化させるのが最も悲しいことであり、「相続」が「争続」ではなく「笑顔相続」になるような対策の大切さをお話させていただいています。
相続税額のシミュレーションや節税のための手法もお話させていただきますがやはり「笑顔相続」の考えが最重要となります。

では、笑顔相続の事例を紹介させていただきます。

以前ご相談いただいたお話なのですが、先々の相続税負担を減らすために所有されている土地にアパートを建てるよう不動産会社から提案されている方が相談にいらっしゃいました。
ただ、資金的に決して余裕があるわけではないので、銀行から借り入れをしなければならないのが不安ですとおっしゃられました。

たしかにアパートを建てる事で評価は下げられますが、借入をしてまでの相続対策は先々相続が起こった時に納税資金を工面するのが大変となる事も多々あり、また財産構成の大半が不動産だと分割が困難になり相続人の間で揉めてしまう可能性が高まり、まさに「争続」と呼ばれる状況に陥りかねません。

そのためにも一旦、アパートを建てる考えは保留いただき、まずは現状の財産構成だとどれくらいの税額になるかを見て判断いただく事にしました。
財産を順にお聞きして見込みの税額をその場でシミュレーションさせていただいたのですが、この段階で私も嬉しくなるほど安心してくださいました。
自分の相続税額は高いかもしれないくらいの考えでいると、上記のような提案を受けた時にかえって不安が膨らんでしまうようです。
このような方に相続税シミュレーションのサポートをさせていただくと本当に喜んでいただける事が多いです。
さらに特例適用の条件を整え、保険を活用いただくといった対策による節税だけでもご相談者様にとって十分許容範囲内の税額と認識いただけました。
お話の後はとても感謝くださり晴れやかなお顔でお帰りいただけ私も嬉しい気持ちになれました。
この相談者の場合は幸い相続税のために相続財産を痛めるような対策が必要ないケースでしたが、はっきりと効果が見込めそうなケースもあります。ただし、そのような方であっても円満に相続人に受け継いでいく「笑顔相続」が最も重要であるという考えは変わりません。税金の損得ばかりにとらわれず、真の意味でお客様に寄り添ったご提案をしていく専門家として我々は今後も「笑顔相続」を推奨していきます。