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【vol.70】『争いに発展するのも相続だけど、仲の悪い家族が歩み寄るきっかけになるのも相続』

相続診断士の皆様、初めまして。
東京都新宿区にあるミライエ税務会計事務所で所長税理士をしております、森田と申します。「家族の想い」を大切にし、お客様が笑顔で相続を迎えられるお手伝いをしております。
また東京多摩相続診断士会では事務局をしており、こちらにも是非ご参加いただければ幸いです。

今回は、相続をきっかけに仲の悪かったご家族が歩み寄った事例をご紹介します。

お父様が亡くなられ、相続人はお母様と長女、次女の3名です。
民法は平等相続ですが、不動産などの分けにくい財産があり、今までにかかった学費・生活費、現在の生活状況も違う中で、亡くなった時点の財産を平等に分けるということは非常に難しいことです。

相続財産は自宅土地(父、母共有)、自宅建物(父、母、次女共有)、賃貸不動産、現預金などでした。
状況としては、次女夫婦が両親と同居、長女夫婦は少し離れたマンションに住んでおりました。
子供は結婚したらそれぞれにしっかりと生活してもらいたいという考えをお持ちで、長女夫婦は親が薦めるマンションを一部の贈与を受け、自身もローンを組んで取得していました。
次女夫婦も自身で自宅を取得していましたが、急な転勤で住む場所に困っていたのと自宅の建替えというタイミングもあり、結果として両親と同居することになりました。
しかし、この同居は長女に相談をせずに決めてしまったそうです。
長女としては、親と同居をしたかったという想いローンを返済しながらの生活と次女夫婦の生活ぶりの違いから不満が爆発してしまったということです。

関係が崩れてしまっているため3人揃ってお話を伺うことは難しく、まずはお母様、長女、次女に単独で、その後はお母様と長女、お母様と次女とのペアでお話を伺い、時間をかけて思い違いの解消や気持ちの整理を進めていきました。
お母様も物事を勝手に進めてきてしまったこと、姉妹を比較して育ててきてしまったことなどを後悔し、涙を流しながらお話をされる場面も多々ありましたが、最終的には次女が自宅不動産を取得する方向での分割内容で遺産分割をすることができました。

今回、お父様の相続をきっかけに仲が悪かった姉妹が少し歩み寄ることができましたが、お母様がいる今だからこそ姉妹の関係を取り持つことができたのだと思います。お母様はお元気で今後も姉妹の関係が少しでも良くなることを願って、話し合いを継続しており、私もお母様の遺言書作成のサポートを続けているところです。

最後に、相続診断士がお客様に寄り添い、多くの笑顔相続が実現することを願っています。

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