相続診断協会は、相続診断士の認定発行・教育・サポートを行っている機関です。

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【vol.7】「相続」とは「幸せ」のバトンリレー[1]

相続診断士の皆様、こんにちは。公認会計士・税理士の伊藤 隆です。
「相続」とは「幸せ」のバトンリレーです。みんなが仲良く長生きし、財産を増やし続け、より「幸せ」になる相続の実現を目指し、平成18年3月に弁護士・不動産鑑定士・司法書士・公認会計士・税理士が集まって、「幸せ相続支援隊」を結成いたしました。
また、言葉は違えども同じ想い(「笑顔相続」)を持つ「相続診断協会」と出会い、平成24年9月に協会のパートナー事務所となりました。本年の1月には、相続診断協会主催により、三重県の四日市で、「将来の「相続」のはなし~今、考えておくべきこと~」というセミナーを開催しました。20名弱の参加者のうち半数強が相続診断士の方でした。これまでの実践的な経験が、少しでも相続診断士の皆様に還元できれば幸いです。
さて、「笑顔相続」の事例を紹介させていただきます。
Aさんは西日暮里で事業を経営しており、墨田区の方に賃貸マンション(土地・建物)を持っておりました。このご時世にもかかわらず、事業も賃貸も順調で、その結果、Aさんはけっこうな高額所得者でした。
Aさんの家族構成は、奥さんと3人の子供さん、そして3人のお孫さんです。しかし、子供さんお一人(Bさん)が身体障害を持っておられるので、Aさんと奥さんは自分達が他界したあとのBさんの将来のことが心配でした。この時点で、ある人からAさんの紹介を受けました。何度かお会いして、お互いの信頼関係ができた時点で、Aさんは会計事務所を代わって下さいました。西日暮里の事業所得と墨田区の不動産所得の現状が理解できた時点で、Aさんご夫妻の「不安解消」のための対策を提案いたしました。そして、Aさんご夫妻はその提案内容をそのまま実行されております。
さて、その提案とは・・・
まず、新会社を設立してもらいました。出資者および役員は子供さん3人で、Aさんと奥さんはこの会社には一切関係しません。
Aさんは、マンションの建物だけを新会社に売却します。会社が建物を買い取る資金は銀行借入で、土地(Aさん所有)・建物(会社所有)を担保提供しました。マンションの入居者は家賃を会社に払います。会社は土地をAさんから借りていますから、Aさんに地代(土地の固定資産税の3倍に設定)を支払います。
なお、土地の賃貸借契約をするときに、権利金は支払いません。その代わり、税務署に「土地の無償返還届け」を提出しておきます。会社の家賃収入からAさんへの支払地代および建物の減価償却費と固定資産税を引いた残りから、子供さん3人が役員報酬をとります。そして、将来のために、役員報酬はできるだけ貯蓄に回します。
以上が、これまで実施された提案内容です。
関連してくる税務関係の説明をします。
まず、Aさんには、土地の売却による長期譲渡所得に対する税金が発生しますが、建物の売却代金と減価償却残額がほぼ等しかったので、売却益は少額で、従って税金も少額で済みました。
建物売却後のAさんの不動産収入は地代収入だけになっていますので、入居者から家賃を満額収入していた以前と比べれば、大幅に減少しています。累進課税によって、適用される税率も小さくなり、Aさんの支払う税金は大幅に減少しました。
子供さんたちは、Aさんが一人で稼いでいた分を子供3人で分けるので少額になり、おまけに役員報酬は給与所得控除が受けられるので、税率はぐっと下がります。
このスキームの結論は、「家族全員で払う合計の税金を減らし、しかも貯蓄の主体をAさんから子供3人に移転した。その結果、Aさんの将来の相続財産も相対的に減少して、相続税も減少した、Bさんの将来の少し安定した・・・」ということです。
しかし、これで、Aさんご夫妻はBさんの将来不安を全て解消したわけではありません。 この話には続きがあります。現在進行形で話が進んでいるからです。機会がありましたら、この続きを・・・

 

 

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