【vol.67】『つないだ姉妹の絆』
相続診断士の皆さま、はじめまして。
私は「佐野らーめん」「厄除け大師」「プレミアムアウトレット」で有名な栃木県佐野市で『さの相続相談センター』を運営しております行政書士の関野と申します。
当センターは、相続でお悩みの方が気軽に相談できワンストップで問題解決ができる場を提供したい、そして家族が相続でもめることを少しでも防ぎたいとの想いから平成25年に開設しました。
おかげさまで、これまで多くの方々のお手伝いをさせていただき、「こんな便利なところがあって良かった。助かったよ。」などのお言葉を頂戴しております。
そして、これまで以上にお客様が笑顔で相続を迎えるお手伝いができるよう、平成31年3月より相続診断協会のパートナー事務所契約を締結させていただきました。
今回は私がお手伝いさせていただいた案件で笑顔相続になった事例をご紹介させていただきます。
事例
1.事実関係等の概要について
(1)亡母Xには、法定相続人として長女Aと二女Bの二人の子がいる。
(2)母Xは5年ほど前に他界し、生前は長女A夫妻とともに同居し、身の回りの世話や金銭の管理などは長女Aが行なっていた。
(3)母Xが他界したため、長女Aは葬儀費用等の支払をするために母X名義の通帳より預金の一部を引き出した。
(4)亡母Xの49日法要も無事に済ませたところで、相続財産を管理していた長女Aより二女Bに対し、遺産についての話合いを提案する。
(5)二女Bは、葬儀費用等の支払のためとはいえ、母Xの他界後に長女Aが勝手に預金の一部を引き出したことに不満を抱いており、遺産についての話し合いをすることを拒んだ。
(6)長女Aは亡母Xの相続財産をいつまでも預かっているわけにもいかず、二女Bとの間で法定相続分に応じて仲良く遺産分割をするために何度も電話をかけるが、その都度「その話はしたくない」の一点張りで全く話が進まず、気がつけば5年もの月日が経過していた。
2.長女Aからの相談内容について
長女Aは二女Bと相続でもめる以前に話合いすらできないことについて、
「どうすれば二女Bと話しをすることができるか、アドバイスがほしい」と当センターに来店されました。
3.当センターからのご提案
当センターからは「電話で埒があかないのであれば、手紙を書いたらいかがでしょうか?」とご提案。
手紙には、二女Bが誤解をしているだろうと思われることに対する釈明と長女Aが法定相続分で分けたいことや思っていることを長女A自身の言葉で書くことが大切であるとアドバイスをし、作成いただきました。
4.結果
長女Aからの手紙に二女Bにも心の変化が現れ、母Xの他界から5年間にわたり進むことがなかった亡母Xの遺産に対する分割も無事成立し遺産分割協議書の作成及び銀行預金の解約手続きのお手伝いをさせていただきました。
5.終わりに
ちょっとした誤解から生じた姉妹の溝を上手く埋めることができ、二人の笑顔を見ることができてなによりでした。
想いを伝える手段は、会って話すだけがすべてではありません。
お手紙でも、そこに想いが乗っていれば相手の心を動かす事ができる一つの手段であると、改めて認識させられた事例でした。