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【vol.47】大切な土地建物 笑顔で相続するためには?

こんにちは。

この度、相続診断協会のパートナー事務所にならせていただきました。
そうだい司法書士行政書士事務所の代表を務めております司法書士・行政書士の髙橋宗大と申します。

稲荷大社で有名な京都は伏見で、事務所を運営しており、相続・事業承継を中心に皆様のお役に立てるように日々精進しております。
また、京都相続診断士会の発起人もさせていただいております。

どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、初めてコラムを担当させていただきます。

司法書士が相続に関して一番多く携わる業務は「不動産登記」ではないかと思います。
私が実際に携わった事例を元に、相続開始後の問題・相続前の対策について笑顔相続をキーワードにご説明したいと思います。

 

事例

Aさんは、京都市伏見区在住の50代の男性です。
ご自宅の不動産について相談に来られました。

お話を聞くと、Aさんの家の名義は、亡き御祖母様(B)の名義のままとのことで、御祖母様には子供はAさんの母親しかおらず、Aさんの母親も既に亡くなっておられるとのことでした。

Aさんは一人っ子とのことでしたので、数次相続は発生しているものの戸籍謄本さえ集まればすぐに相続登記ができると思っていました。

ところが、実際に戸籍を集めてみますと、亡き御祖母様は、「御祖母様」ではなかったのです。
AさんはずっとBさんのことを御祖母様と言われ、それを信じて生きてこられました。
しかし、実際はAさんの母親のお姉さん、つまりAさんから見ればBさんは叔母だったのです。

昔は、結婚される年齢も若く、早く出産され、兄弟姉妹が大変多く、一番上の子供と一番下の子供が親子ほど離れていることもよくあることでした。Aさんの一家もまさにそのような家族関係であったのです。

さらに調べてみますと、Bさんは結婚されたこともなく、子供もいませんでした。
もちろん両親もとっくの昔に他界されています。
法定相続人は第三順位のBさんの兄弟姉妹でした。
兄弟姉妹が7人存在し、その中の殆どの方が亡くなっていたので、さらに代襲相続または数次相続が発生していました。
最終的にはAさんを含む25名の親族が法定相続人であることが判明したのです。

Aさんが知っている親族の方も数名はいましたが、ほとんどの方が会ったこともない、話したこともない疎遠の親族でした。
Aさん名義にするためには、Aさんが本件不動産を取得することを相続人全員が合意をしたことを証明する遺産分割協議書が必要です。

不動産登記法上は、不動産の名義を書き換えるにあたり、全ての相続人が遺産分割協議書に実印の押印をし、印鑑登録証明書を提出してもらわないといけません。
そこから長い戦いが続きました・・・
お一人お一人にお手紙を出し(電話番号は分からないため)、丁寧に説明をし、数ヶ月かけて「運良く」全員から書類をもらうことができ、晴れてAさん名義に変更することができたのです。

ここで「運良く」と申しましたのは、お一人でも反対されたら手続きできなることはもちろんのことですが、お一人でも認知症など意思表示が困難な状況になられていたら、それもまた手続きはできなくなってしまいます

今回でも90歳の相続人がおられました。
幸いお元気でしたが・・・こうなると運を天に任すしかないわけです。

 

こうならないために

できるだけ生前に、法律上の相続人は誰なのかをしっかり確認し、明確に遺産を引き継いでもらいたい人がいるのであれば、遺言書を作成しておくべきです。

Bさんも、相続人が兄弟姉妹しかおられず、遺留分権者がいないので遺言書さえ用意していればこのようなことにはならずにすみました。

不動産は高額な財産です。
また思い出がたくさん詰まっていたり、その家・一族を象徴する財産であったりします。
その分、法律上の手続きは厳格です。しっかり準備をしていきましょう!

 

 

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