【vol.22】事前対策で笑顔の相続に
皆様こんにちは、あかつき税理士法人 代表社員の荒川勝男です。東京都台東区東上野と神奈川県横浜市都筑区中川に事務所があります。平成１４年５月１日登録、全国で１２０番目の税理士法人です。これからもよろしくお願いいたします。
笑顔相続は事前対策がとても大切、そう言い続けてきましたが事例を紹介いたします。
≪事例≫
平成２２年４月１日以後の相続税、小規模宅地の評価減の改正により、同族会社の敷地と社長の自宅が共有であったので、相続税上とても不利とご子息に相談したところすぐに理解してくださり、平成２２年６月に共有物の分割をしました。税金はなかったものとし、不動産鑑定士の鑑定や地境を確定するための隣地の方々の立会等をへて、無事に区分所有になりました。平成２４年中頃に社長の相続が発生して四千万円程の相続税を納付せずに済みました。その後の国税局の税務調査でも認められ、相続人の方々にも大変喜んでいただきました。
相続時精算課税制度を有効に利用したこともあります。おばあさんと子供四人という家庭で一人が事業で多額の借金をしており、不動産を所有していたおばあさんが連帯保証人でした。ちょうど相続時精算課税制度が制定されたときで、おばあさんの自宅を除き他の三人に、それぞれ相続時精算制度を利用し不動産を贈与しました。
相続発生後に主たる債務者である子供が引き継いだおばあさんの自宅は、競売にかけられてしまいました。それでもその他の不動産は、他の三人の子供が相続放棄をしたので、無事にそれぞれの相続人に引き継がれました。
この案件も、相続税は多少払いましたが相続人の方々に大変感謝されました。
また、現場確認も大切です。ある地元の名士の相続があり、公的機関に賃貸していた土地は近隣の市民の森公園に利用され、格安な地代をとりあえず受取っていましたが、公園の真ん中に通り抜ける道路があり、路線価がついていました。その土地の評価は８億５千万円になりました。
公園には、ブランコ等の遊具が据えられ、木々が立ち並んでいます。すぐに納税者と公的機関に出向き確認して、「その道はただ公園を通り抜けるためのものです。」との回答を得ました。その足で所轄税務署に納税者と出向き事情を説明し、固定資産評価でよいということになり、土地の評価額は１億３千万円弱となったのです。
事前対策と事実確認がとても大切だと痛感しました。
