【vol.19】円満な相続とお客様の大切な財産を守る笑顔相続
こんにちは 税理士法人富下会計事務所・公認会計士税理士の富下博文です。
相続診断協会のパートナー事務所として福岡県北九州市で活動しています。
相続のお仕事はやはり相続税対策、相続税申告となります。 遺言書や遺産分割協議書の作成は専門の行政書士や司法書士の先生にお願いしています。
相続税対策は相続税のシミュレーションがスタートになりますが、この時遺言書をつくられることをお勧めしています。しかし、実際に遺言書を公証人役場でおつくりになる方はまだまだ少ないのが現実です。やはりご自分の「死」と向き合うのは大変なことだと思います。むしろご自身の健康や介護のことが一番の心配ごとですから、このあたりの心づかいを大切にしています。
≪事例1≫
相続税申告の御依頼があり、相続人の方とお会いしたのですが、被相続人の方は独身でお子様もなく、お姉さまと弟さん、そしてすでにお亡くなりになっているお兄さまのお子様が相続人でした。
お姉さまが同居をされて被相続人の面倒を看ていらっしゃいました。 お兄様のお子さんは東京にお住まいで被相続人の方とはほとんど会っていることもなかったようです。
お姉さまは70歳をこえて独身、ご自分の家は持たれていません。 相続財産はご自宅の土地建物、月極駐車場の土地、数百万円の預金だけです。
急にお亡くなりになったようで、遺言はありません。
面倒を看ていたお姉さまが大半の財産を相続するのがいいのではと思うのですが、他の相続人の方は法定相続分を主張されます。
ここまで来ると税理士のお仕事でなくなります。
未分割の相続税申告、現在も家事調停中です。
≪事例2≫
顧問先の会社のオーナー様 5年前からがんを患っておられ手術も数回受けられていました。遺言書をつくられた方が良いと以前から勧めてはいましたが、なかなか気持ちを整理することは難しかったようです。
ある日「相談がある」とお電話があり事務所にご来所されました。
ご相談は、「今月末に4回目の手術をする。帰って来れないかもしれないので遺言をつくりたい」でした。
歩くのもやっとの状態でしたが、急いで行政書士の先生にお願いして入院前に公証人役場に行くことができました。
証人の一人として立会ましたが、作成が終わった後、「これで安心して入院できます。先生本当にありがとうございました。」
もう何十年も税務顧問でお付合いをしているのですが、これほど感謝されたことはありませんでした。
手術は成功し無事退院されましたが、半年後お亡くなりになりました。
四十九日法要も終わり遺言が円満に執行されました。
お客様に無駄な相続税を納税させない事は大切、そして円満な相続をしていただくために遺言書の作成を提案することも大切なお仕事として取り組んでいます。