【vol.135】外国人ご家族の生前対策。「完璧な英語」よりも大切なこと。
初めまして。名古屋市で司法書士(兼・行政書士)をしております横地と申します。
当事務所は、親しみやすい雰囲気で地元に長く愛される存在を目指すと共に、東海圏では数少ない英語対応が可能な事務所として、日本で暮らす外国籍の方々の相談もお受けしています。
司法書士は国家資格者として責任を背負う「大切な財産や権利を守る法務の専門家」です。当事務所は特に、相続や生前対策に力を入れています。
海外に住む娘さんからの切実な願い
始まりは、海外在住の娘さんからのご依頼でした。日本で20年以上暮らす高齢のご両親を長年心配され、来日中に相談をいただいたのです。
お父様は日本語が分からず、何かあっても遠方の娘さんはすぐに駆けつけられません。そこで、ご両親の日本での生活を丸ごとサポートするため、以下の支援を提案しました。
• 見守り契約: 定期的な連絡で健康状態や生活の変化を確認。
• 財産管理契約: 銀行手続き等を代理し、日々の支払いを支える。
• 遺言書: 財産の行き先を決め、煩雑な国際相続手続きを回避。
• 死後事務委任: 葬儀や片付けなど、死後直後の事務手続きを引き受ける。
まずは公正証書遺言を書き上げました。娘さんと密に連携し、一歩ずつ進める過程で「あなたを信頼している。出会えて本当に良かった」という言葉をいただいた時、自分が司法書士になったのはこのような瞬間のためなのだと、胸がいっぱいになりました。
悔やまれる「遠慮」と、刻一刻と変わる状況
しかし、この事例には「心残り」があります。
遺言作成が真夏で体調に不安があることから、他の契約を先延ばしにしているうち、お父様の心身の調子が悪化してしまったのです。
現在は判断能力に確証が持てない状態のため、手続きを進めることができません。
万一お母様が先に亡くなった場合、日本で完結できる仕組みを整えきれなかったことが大きな心残りです。
もっとこちらから先導を切って、お宅に訪問するなりして進行を早めれば良かった。この苦い経験は教訓となりました。
相続診断士の皆様へ
相続診断士の皆様も、もし海外案件に興味があれば、ぜひ「窓口」となって専門家へ繋いでみてください。
英語対応ができる専門家は非常に少なく、実は「競合がいない」というビジネス的な側面もあります。
私は決して英語が完璧に話せるわけではありません。図解を使い、時には聞き返しながら、泥臭くコミュニケーションをとっています。
お客様が求めているのは流暢な語学力ではなく、「自分のために親身になってくれる」かどうかです。
頼れる人が周りにいない。そんな切実な状況のお客様にとっては、存在そのものが希望になります。
最後に
複雑化する社会の中で、国籍を問わず高齢の方が安心して暮らしていくことは、簡単なことではありません。
だからこそ、生前対策を含めた私たちの仕事は、非常に大きな社会的意義を持ちます。
私を信頼して託してくださった方の想いに応え、不安を取り除くことで、これからの人生をその人らしく穏やかに過ごしていただきたい。
これからも日々研鑽を重ね、目の前のお客様一人ひとりに一生懸命寄り添い、精一杯の対応を続けていく所存です。














