相続診断協会は、相続診断士の認定発行・教育・サポートを行っている機関です。

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【vol.122】「故人の想いを残し、伝える文化を考える」

相続診断士の皆様、初めまして
兵庫県の猪名川町北部で、行政書士(相続・遺言)事務所、北部興信舎(探偵業)の代表、任意団体の顧問(事務局長)をしております上畑雅之です。
私は、大学卒業後、兵庫県警察官として勤務し、定年退職後に猪名川天文台に程近い山里で業務をしております。
行政書士の主たる業務は相続・遺言でありますが、探偵業は相続専門のいわゆる「相続探偵」ではありません。
今回のお話は、仕事に繋がる話ではなく、なぜ私が診断士を目指したのか、最近思うことについてお話しすることをお許しください。
まず、私が相続診断協会に興味を持ったのは、相続診断協会が提唱する「故人の想いを残す」文化を創るという壮大な目標に共感したからです。

それには、2つの理由があります。
一つは、大学時代に卒業論文で、労働組合をテーマとした中で、「内部自治」に留まる、「広域連携」が不十分であるという問題がありました。
そして40数年を経て、懐かしく同卒業論文を見入っていたときに、ふと「今の問題は何だろう」と思い調べると、同じ問題が課題となっていることに気付きました。
もう一つは、この課題に「学識者方々が大勢いるのに、なぜ課題になるのだろう」「今がダメなら先人に頼るしかない」と直感的に感じました。

というのは、私は幕末期の歴史好きで、特に現在社会に大きく影響を与えた新選組や坂本龍馬好きが原因だったのかもしれません。
上記の課題に当てはめてみると、新選組の「内部自治」の究極的な管理方法があり、その一方で坂本龍馬の広い視野に立った「広域連携」という世界観があれば、今の課題解決など簡単ではないのかとさえ感じました。

こうして相続診断士の理念「故人の想いを残す」文化は、遺言書や笑顔相続ノートなどにより、将来の紛争を防止することになるのであれば、私にとっては「偉人の想いを残し伝える」ことにより、長期課題の解決策や来るべき未来の予測等に大きく寄与することに等しく、それを根付かせることが文化遺産に繋がるのではないかと期待しています。

一般的に世界遺産には、「人そのもの」が焦点となる枠組みはありませんが、親の言うことを守る遺言書も然り、業績のある人の生き方や業績を真似ようとする姿勢に、文化的価値を否定する人はいません。
むしろ、僅かに過去にインドのガンディーや南アフリカ共和国のマンデラにみられるような、「人」を中心として残すべき文化遺産として認定されるケースもありました。
だからこそ、偉人の歴史研究は、未開の地に足を踏み入れるような期待感を感じています。

しかし、それらを実証して行くには、基本として、歴史的事実と偉人の想いを繋ぎとめることを通じて、想いの強さがもたらすものとして、現在に残る「人あっての遺跡・遺構」であると帰結したいと考えています。
その基本的考えを同じくする相続診断士の理念は尊く、普遍的価値があると考えています。
故人の想いは、かけがえのない未来を創造できる糧であり、私たちがその仕事に携われることは誇りであると、今更ながら感じております。

『「あるべき診断士」とは何か』を考えさせた事例を紹介します。

事務所で忙しくしているときに、ある女性から電話が入りました。
「母親が痴呆症で、後見人(弁護士)を置いています。娘の私が同居し、面倒をみますので解除の手続きをお願いします。」とのことでした。
私の回答は、ごく簡単「その理由では、解除は無理だと思います。担当の弁護士に相談したらどうでしょう。」と可能性のある話はなく、早く打ち切ろうとした心ないものでした。
その時内心には、後見人制度は、被後見人の立場を守るためのものであり、周辺の状況が変わったとしても、基本的スタンスは変わらないだろうと思い込んでいたからだろうと思います。
だから刻々と変わる状況についていけず、逃げ出そうとしたのだと思います。

私達は、「笑顔相続」を目指し、遺言書や遺留分、また遺産や相続分などに気を配って仕事をしていますが、被相続人の想いは当然ですが、相続人の想いもないがしろにしてはならないと思っています。
遺言書により相続が上手く進んだとしても、その後遺留分請求となると相反する立場となることもあります。
遺留分は、遺産が多ければ遺留分も多いということと大きな遺産を受けた相続人は他の相続人からの遺留分請求に危機感を覚えます。
遺言書で土地・建物の権利を得たとしても、遺留分によりその所有そのものを、または代替え財産を失う可能性もあります。
だからといって、相続前から、後でもめるのを避けるため、仲のよい兄弟間でも遺留分について口火を切るべきかどうかそこに大きな迷いがあります。
遺留分を念頭に置けば、固定資産税評価額とした基準自体を検討せざるを得なくなるからです。
権限のない者は個別のもめ事に関与できませんが、一般論であればそのケースを多様に紹介することは可能です。
権限はないにしても、「あなたに合った方法をお示しできませんが」と前置きしながら、「この場合いろいろな方法があり……、中でもこれはリスクがあり……。」と声をかけてあげるなら、この言葉で生き返る人は数え切れないと思います。
しかし、相談をする者にとって、悩みながらも今心しておくことで活路が開かれる可能性があります。
私達の周りには、それぞれの位置にいて困惑する人がいます。
例えば、上記のような後見人制度、任意後見人制度、民事信託(家族等)契約者、家庭裁判所係属者など、状況として受任者の死亡・不在、障碍児童の親、生活保護者、契約解除理由欠如、家庭裁判所の不関与(契約)など多種多様です。
何を言いたいかと申しますと、「答えは一つではなく、複数の場合かも知れません。そして、次には、姿を変えてやってくる。」ということです。
それを踏まえた上で対応するのか、それらしい答えを一つ提案し、受任に繋げるかは自由です。
しかし、助けもなく、頼りすがってくる人達を無下にする、そのやり方は、テレビの時代劇の悪代官のように見えます。
この仕事は、人に生きる術を示すことができます。この仕事に誇りを持ちたいと思います。

 


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