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【vol.110】「相続財産の不動産を分割する時に」

明けましておめでとうございます。 登記測量 山下事務所の代表をしております土地家屋調査士の山下浩二と申します。
土地家屋調査士はいわゆる八士業の一つに数えられていますが、最も知名度の低い、何をしているのか分からない士業ではないでしょうか。

ただ相続診断士の皆様とは大変縁のある仕事をさせていただいています。

と言うのが、相続人の間において一番問題となる財産分割が土地や建物の不動産の分割です。不動産の配分が決まれば相続財産のもめごとの大部分が終わったとも言われるほどです。
この不動産の分割(一般に土地の分筆)を依頼に基づき測量し登記するのが土地家屋調査士の業務になります。ほかにも表題部に係る登記は土地家屋調査士の業務です。例えば土地の地目変更登記や建物の新築時の表題登記増築登記、また隣接地間の境界の相談などを行っています。

 

◎相続財産の不動産を分割する時に

相続財産である土地の分割においては、財産価値や利用状況などを基準に考えられることが普通だと思います。
財産価値は分割において特に重要で、見込んだ価値が分割後に生じない等が起こると後年まで問題を引きずることになりかねません。

私も以前受けた分筆登記の事例で、
土地の南北2面が道路に接しておりどちらの道路幅も4mの土地を分筆登記をしましたが、南側の接している道路が建築基準法上の道路ではなく財産価値が全く違うものになって後日問題になった事がありました。
指示によって分筆したのですが、現在の知識があれば分割協議された先生にお伝えし、事前に問題が起こらないようにすることができたのではないかと思います。
また、できるだけ各専門家の意見が聞けるような体制を取っておくことの重要性も感じました。

 

そしてもう一つの大きな分割基準になります利用上の状況においてよく問題となるのが、
相続財産の土地上に相続人の一人や複数人が利用している建物がありその建物を避けて土地を分筆することができない場合があります。

このような時は
1.建物を必要とする相続人が土地建物を相続し、他の相続人に現金を支払う方法。
2.その不動産の利用を止めすべてを売却し現金で分割する
などといった方法を取られる事が多いのではないでしょうか。

いずれにしても一人に過大な負担が生じたり、不動産を手放してしまわざるを得ない事態が起こります。

ではそうならないために、土地の分筆登記に伴って分筆線の上にある建物を複数戸に分ける事ができるか?

結論から言うと、利用上の条件と物理的な条件を満たせば可能だと言えます。

☆土地の分筆に伴い建物の登記を2つに分ける方法

まず利用上よくある分け方が

① 1つの登記上に主たる建物として居宅があり、付属建物に離れの店舗等が有る場合
これについては建物分割登記を行うことで居宅と店舗とを各々別の登記とすることができます。
付属建物が新たに家屋番号のついた主の建物になりますので
居宅と別の所有権の対象になります。

そして物理的に分ける方法として

② 建物の分筆線上部分を取壊し、建物を2つに分ける方法です。

こちらは建物分棟登記を行うことにより各別の不動産となります。
ただし利用上の条件として各々に入口が必要である事や、分けられた2戸の建物のどちらも居宅として利用する場合は炊事場やトイレ等が両方に必要といった条件 も付きます。

次に一部を取り壊す方法とは逆に

③ 分割線上に柱・仕切り壁を作り行き来のできない状態にする方法です。

この工事により建物区分登記を行い2つの建物とすることが可能です。昭和50年代頃までに流行った棟割長屋(縦割り長屋)と同じような登記になります。
こちらも上記の分棟と同じく出入口が各戸に必要になり内部で行き来ができないなど利用上の条件が付いてきます。

④  分筆線上に、以前より1階に親が居住し2階に子が居住する玄関も各階別にある2世帯住宅があった場合
上記と同じく建物区分登記をすることで2つの建物にすることが可能です。いわゆるマンションと同じような登記にします。
ただし、室内で1階と2階を行き来できる階段がある場合は塞いでしまう必要があります。他にも上記の分棟と同様の条件も満たす必要があります。

以上のように建物が地上にあるから分筆が不可能であるということはなく、建物自体も複数の所有権の対象とすることは可能です。

最後に

実際の事例では様々な条件等がありますので、お近くの土地家屋調査士にご相談ください。
そして先程も述べましたが各専門家の意見が聞けるような体制を取っておくことも重要です。相続診断士会は様々な専門家が集まり知り合える、大変勉強になる場であると思います。

 

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