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【vol.109】「国籍の再取得が必要かどうかは家族と向き合うことで見えてくる」

国際業務を専門としている行政書士の宇佐美です。
今回、このような機会をいただき、特に力を入れている国際相続分野の一部分についてお話させていただきたいと思います。

ダイバーシティという言葉が市民権を得て多様性に寛容であることが当たり前のようになってきました。
コロナが収束し、新幹線の中にも外国籍の旅行者をたくさん見かけるようになりました。
ああ、世の中はコロナ以前に戻った、という思いと共に、世界と日本との距離が以前にも増して近くなっているのでは、と感じることもあります。

思えば、日本人も海外に渡航していますね。ますます海外に渡航される日本人も増えてきますね。
そこで最近よくご相談を受けるのが「国籍の再取得」「国籍離脱」です。
若い時に日本国籍を離脱した後、今はアメリカ国籍であるという方からの質問が多いのですが、相続対策として日本国籍を再度取得しておいた方が良いだろうか、という質問です。

確かに国際相続の手続きが煩雑であることは最近、ホームページでも多く見かけるようになりました。
では、相続手続きの煩雑さのデメリットと、自分が選択したアメリカ国籍を離脱することで得られるメリットを比較してどちらが正解と言えるでしょうか。

答えは自分のアイデンティティを捨ててもなお、日本に残した家族への思いと対峙した時におのずと出てくるように思います。
介護の問題です。
日本国籍ではない、ということは日本への渡航には、もともと日本人でも在留資格が必要となります。
短期滞在で数回くる方法もありますが、長期滞在にはそれなりに申請が必要です。
年を取った両親の介護をするためには、やはり、日本国籍を持っている方が便利です。
介護を他の人に任せるのか、年を取った両親や兄弟との時間をどれだけ共有したいか介護を別の誰かに任せることで起きる家族間の摩擦もあります。

逆に、アメリカにも大切なご家族がいることもあります。
その家族との関係をどうするか、これもまた一つ大きな問題です。
愛する家族との関係、どのように時間を共有していくのかを真剣に考えることこそが、相続対策の始まりと思います。
わたしたちが学ぶ笑顔相続の本質はここにあるように思っています。

余談ですが、国籍を離脱して長い時間を経過した方日本大使館では在留証明書の取得が出来ず、ご自身でNotary Publicにサイン証明を取得いただく必要があります。
これら取得についてご不明な点がある、不安があるという方は事前に当団体の国際の専門家にご確認いただきたいと思います。

きっと笑顔になれる相続手続きを支援してくれるものと思います。

 

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