【vol.103】初めての「遺言執行・死後事務」で後悔!そこで学んだ「大切なこと」
福岡県春日市にある「なかしま美春行政書士事務所」、代表の中島美春です。
わたしは初めて受任した「遺言執行・死後事務」で、大きな後悔をしました。
おひとり様のお客様M様の事例です。
M様には
・「遺言公正証書」の作成
・「遺言執行業務」
・「死後事務」
をお任せいただいていたのですが
「まだお元気だから、さらに詳しいヒアリングは折を見てしよう。」と判断してしまい、そうしている間に、M様が急に亡くなられたのでした。
その結果、M様の最後のお別れの時に誰を呼んで欲しいのか?が全く分からず、連絡のついたご親族2名と私のみで最後のお見送りをする事になってしまったのです。
ご遺族様は「急なことだったので。」と、ご理解下さいましたが、
「死はいつ訪れるかわからないもの」
だからこそ、「事前準備」をおすすめする役割であるはずの自分自身の未熟さを痛感する出来事でした。
M様をお見送りしてから数週間後、知らない電話番号から私の携帯電話に連絡がありました。
出てみるとM様のご友人と名乗るA様でした。生前のM様との会話でA様のお話を聞いたことがありました。
M様はA様に「死後の手続きをお願いしている行政書士の中島先生がいる。」と、私の存在をA様にお話しした上で、私の名刺をA様に渡して下さっていたのです。
Mさんと連絡がつかなくなったA様が、おかしいなと思い私に連絡を下さったのでした。
私がM様の生前にA様の連絡先をしっかりと聞いておけば、M様最後のお見送りの時にA様を呼ぶことができたのに・・・と後悔しました。
生前M様は「私が初めての相続事案なのでしょう?応援しているよ。私の事例をひとつの経験にしてね。」とおっしゃって下さるお優しい方でした。
「M様のために、もっとできる事があったのに。」と後悔したと同時に、今後に活かそうと思える経験になりました。
「迅速で丁寧なヒアリングをする」、あまりに基本的なことではありますが、これが、M様の事例で私が学んだ「大切なこと」です。
「死はいつ訪れるかわからないもの」
M様の経験から「エンディングノート」の活用をはじめとして、「丁寧で迅速なヒアリング」を大切にした業務を行っています。
そして、この話には続きがあります。
M様のご友人A様は、このことがきっかけで、お客様になり、A様の遺言書作成のお手伝いをさせていただきました。
A様にはM様の時のように後悔しない準備をして欲しいという思いから、エンディングノート講座を受けていただきエンディングノートを書いていただきました。(M様、A様とのご縁を繫いでいただきありがとうございました。)
最後に、私がこれまでの経験から学んだ「エンディングノートについてのアレコレ」を動画にしました。法的効力がある「遺言書」だけではなく、法的効力はない「エンディングノート」も相続における大切なツールの一つなのです。
遺言書作成の提案をすると「うちには財産が無いから必要ない。」と言われることが多いですが、そんなお客様にも「まずは、エンディングノートを書いてみようか。」と思っていただくために、どうお話しをしたらよいか?お客様を「笑顔相続」に導くために参考になる動画になっています。相続診断士の皆様のお役立てば幸いです。