【vol.92】相続Q&A~110万円の基礎控除が使えなくなるって本当?~
質問
年間110万円の基礎控除を使った贈与ができなくなるという噂を聞いたのですが、本当なのでしょうか?
回答
事の発端は、令和2年12月10日に発表された与党税制改正大綱の「基本的考え方」に記された以下の文章です。
「相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化の防止等に留意しつつ、資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。」
こうした背景には、現在の税率構造では、財産の分割贈与を通じた負担回避を防止するには限界があり、今回の発表は、資産の移転時期や規模によって税負担に差が出ないようにするために、税制も相続時精算課税をベースとした制度を原則としていく国の決意がうかがえるものです。
欧米諸国では、相続と贈与を税務上一体と考えることが主流とされています。これを踏まえますと、110万円の基礎控除や、相続開始前3年以内の贈与の持ち戻しといった制度が近い将来に見直される可能性は高いと言えるでしょう。
教訓
これらを踏まえつつ、今後の動向をしっかりと把握していく上でも、『税制改正』には毎年アンテナを張っていく必要はあるでしょう。
https://www.jimin.jp/news/policy/200955.html
是非確認してみて下さい。