【vol.154】相続Q&A~老人ホームに入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等の特例の適用について~
質問
・被相続人甲は、X7年4月、A有料老人ホームに入居しました。
・被相続人甲は、X7年6月、A有料老人ホームに入居する直前に居住していた家屋(以下「本件家屋」といいます。)及びその敷地の用に供されていた宅地等(以下「本件宅地等」といいます。)を、B有料老人ホームに入居(X6年7月)していた配偶者乙から相続により取得しました。
・被相続人甲は、X8年2月、本件家屋に戻ることなく死亡しました。なお、本件家屋は、被相続人甲がA有料老人ホームに入居した後は、空家となっていました。
・被相続人甲は、死亡する前に要介護認定を受けています。
これらのような事実関係を前提として、本件家屋及び本件宅地等を長男丙が相続により取得した場合において、
丙は本件宅地等について、小規模宅地等の特例の適用を受けることができますでしょうか?
なお、丙は、本件特例に係る他の要件を満たしています。
回答
被相続人甲は、有料老人ホーム入居前に本件宅地等を居住の用に供しており、その後は要介護状態によりやむを得ず入居した結果、本件家屋は空家となっていました。
本特例は、相続開始直前に居住していない場合であっても、老人ホーム入居等の事情があるときは、入居直前の利用状況に基づいて判定することとされています。
また、その時点で被相続人が当該宅地等を所有していたか否かについては、法令上特段の規定は設けられていません。
したがって、本件のように入居直前に居住の用に供されていた実態が認められる場合には、取得後に居住していないとしても特例の対象に該当すると考えられ、丙は小規模宅地等の特例の適用を受けることができるものと解されます。
国税庁「文書回答事例」より
教訓
小規模宅地等の特例は、承継する側の要件(同居の有無、持ち家の有無)が注目されがちですが、被相続人側の要件もあり、
双方で要件を満たした時に適用があります。
また、一見すると適用が難しそうな場合でも、丁寧に要件を確認することで結論が変わることもあります。
迷った際には、早めに税理士へ相談し、状況整理や必要資料の準備を進めておくことが安心につながります。














