【vol.152】相続Q&A~貸付用不動産および不動産小口化商品の評価方法の見直しについて~
質問
貸付用不動産や小口化不動産について、評価の見直しが入るというのは本当ですか?
また、具体的にどのような見直しが行われるのでしょうか。
回答
令和8年度税制改正大綱において、貸付用不動産および不動産小口化商品の評価方法の見直しが盛り込まれました。
これまで、賃貸用不動産や不動産小口化商品は、財産評価基本通達に基づく評価により、市場価格(実勢価格)よりも低い評価額となる傾向がありました。
このギャップを利用した相続税・贈与税の圧縮、いわゆる「不動産節税」を抑制するために、今回の見直しが行われたものと考えられます。
1. 貸付用不動産の評価方法の見直し
<改正内容>
相続開始前(贈与前)5年以内に有償で取得した貸付用不動産(例えば賃貸マンションや貸店舗など)については、
「課税時点の通常の取引価額」により評価することとされます。
ただし、課税上弊害がない限り、取得価額の80%を用いる評価も可能とされる予定です。
<適用開始時期>
令和9年1月1日以後に開始する相続等から適用される予定です。
2. 不動産小口化商品の評価方法の見直し
<改正内容>
不動産小口化商品(※)については、取得時期に関係なく、
「課税時点の通常の取引価額」により評価することとされます。
貸付用不動産のように、取得価額の80%を用いることはできず、
その時点において事業者が示す適正価格となります
※ オフィスビルや賃貸マンションなど1棟の不動産を複数人で小口分割して共同出資し、家賃や売却益(分配金)を得る投資商品の総称
<適用開始時期>
令和9年1月1日以後に開始する相続等から適用される予定です
教訓
本改正により、短期保有の不動産を活用した相続税対策は、従来ほどの節税効果が見込めなくなる可能性が高いと考えられます。
一方で、具体的な評価方法(借地借家権割合は考慮できるのか?)など詳細な取扱いは、これから明らかになっていく予定です。
今後の実務対応にあたっては、引き続き改正内容の動向を注視する必要があります。














