【vol.20】「前向きな相続対策」で『笑顔相続』に！！
相続診断士の皆様、こんにちは。フジ総合グループ（株式会社フジ総合鑑定・フジ相続税理士法人）代表をしております不動産鑑定士の藤宮浩です。相続診断協会のパートナー事務所として、東京都新宿区の新宿御苑前駅至近で活動しています。
名前にフジ相続税理士法人とあります通り、相続を専門とした事務所です。全国でも珍しい、税理士と不動産鑑定士が協働している事務所ですので、相続税評価でも特に「土地評価」に強みを持っております。このため、当グループのお客様は地主様が多く、年間400件以上の相続関連案件を取り扱っています。
相続対策のご相談を受けていて思うのは、巷で紹介されている対策方法は、どちらかというと財産を受け継ぐ方の相続税節税に主眼が置かれており、残念ながら、財産を残す方の気持ちや「これからの人生」には、あまり配慮がなされていない場合が多いということです。相続はいずれ起こる出来事とわかっていても、タブーな話題になりがちなのは、このためではないでしょうか。
私たちは、財産を残す方の気持ちを大切にする「前向きな相続対策」を提案したいと思っています。財産を残す方が、これからの毎日をいきいきと過ごせること。そこに主眼を置いた相続対策であれば、相続は「禁句」ではなく、明るく前向きに会話できるテーマとなるでしょう。
≪事例≫
以前、ご相談いただいた方に、ご自身が亡くなられた際、お子さんに多大な納税負担がかかるのではないかと心配し、アパート建築を検討されていた方がいらっしゃいました。ご相談者様は、歳をとってから多額の借り入れを起こすことには抵抗があったのですが、相続税節税のためにはやむを得ないとお考えのようでした。
そこで、私たちが提案したのは、すぐに目の前の対策に着手するのではなく、まずは土地の評価額を精査して正確な予想相続税額を計算し、総合的に問題点を把握してみることでした。
すると、適正な土地評価や遺産分割の仕方、「小規模宅地等の特例」を適用できるよう条件を整えること等によって、実際の納税額はかなり抑えられることが分かりました。無理に収益物件を建築しなくても、生前贈与などで十分対策できる範囲です。そのことを知ったご相談者様は安心し、「相談して本当によかった」と言っていただくことができました。
もちろん、アパート建築は、場合によっては相続対策として有益なものです。しかし、重要なのは、その対策が「ご自身の想いと、ご家族の将来像に合っているのかどうか」です。
財産を残す方が、ご自身の人生をよりよく生きることが、想いや財産を円満にお子さんたちに受け継いでいく「笑顔相続」に繋がるのだと思います。私たちは、中立・公正な専門家の立場から、「笑顔相続」を応援していきます。
