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【vol.134】相続人どうしのいさかいを「笑顔相続」に導くためには

1 ご挨拶

相続診断士のみなさま、はじめまして。東京都新宿区の弁護士法人市ヶ谷板橋法律事務所で主に相続の案件を担当している、弁護士の板橋晃平です。
当事務所では『人生とビジネスの重要局面で、不安を「安心」と「次の一手」に変える』ことを目的とし、相続・不動産・企業法務を中心に幅広いリーガルサービスを提供しています。

2 事例紹介

今回は、お母様の遺言をめぐって長男から裁判を起こされたものの、その裁判の中で「財産の分け方」までまとめて決着させたケースです。ご依頼者様は長女の方と二男の方、相手は長男の方でした。
お母様は生前、遺言書を2通作っていました。1通目は「長男にすべて渡す」という内容でしたが、のちに事情が変わり、1通目をやめて「子どもたちで同じ割合で分ける」という2通目を作りました。
ところが相続開始後、長男が「2通目は無効だ。1通目が正しい」と主張し、遺言が本当に有効かを裁判で確かめる手続(遺言無効確認訴訟)を起こしてきたのです。
突然の通知に、ご依頼者様は大きく動揺され、弊所へ相談に来られました。
裁判で大事だったのは、2通目を作ったときに、お母様が内容を理解して決められる状態だったかどうかです。

そこで弊所は、病院の書類だけでなく、生活の様子が分かる資料を丁寧に集めました。
施設での記録や日記などから当時の会話や判断の様子を具体的に示し、裁判所からは「2通目の遺言は有効に見える」という感触も得られました。
ご依頼者様は判決で白黒つけたいお気持ちもありましたが、この先の負担まで見据える必要がありました。
ただ本件の遺言は「割合はこう」と書かれているタイプで、遺言が有効でも、次は「具体的に何を誰が取るのか」を決めないと終わりません。しかも裁判で関係が悪化していると、その話し合いがまとまらず、手続が長引きがちです。
そこで弊所は、「裁判に勝つこと」だけでなく「相続全体を一回で終わらせること」を目標にしましょう、と提案しました。
2通目の内容に沿いながら、あとで揉め種が残りにくい分け方を整理し、裁判の中での話し合い(和解)として長男に提示したところ、受け入れられました。
遺言の有効性と分け方をセットで合意でき、相続の出口まで一度でたどり着けた点がポイントです。

今回の事例は、訴訟にまで発展し、当初は「笑顔相続」とまではいきませんでしたが、相続人間の想いの交通整理を行い、相続人全員が納得できる落としどころを見つけることができ、最終的には相続人全員が損をしない「笑顔相続」にできたという点で、とても印象に残っています。

3 相続診断士へのアドバイス

遺言が複数ある介護や同居で感情のもつれがある「自分だけ損をしている」と思っている人がいる
こうしたサインが重なると、相続開始後に一気に火がつきます。
気配を感じたら、日記やメモ、施設の記録、家族とのやり取りなど、“日常の記録”を残してもらう声かけが有効です。
そして予防の場面では、相続診断士のみなさまの「思いを整理する力」が決定的です。
「なぜこの分け方にしたいのか」「誰にどう受け取ってほしいのか」を言葉にできると、遺言は家族に届くメッセージになります。
整えられるうちに整える、火がつきそうなら早めにつなぐ。これが「笑顔相続」への最短ルートだと考えています。


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