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【vol.133】信頼を得て相続税申告から次世代の生前対策へ

数年前、ある金融機関から行政首長が代表相続人である案件をご紹介いただいた。
弊事務所は相続税関連業務が全体の8割を占めている。相続税申告業務は民法の知識も必要だ。
一例を言うと、普段気にせずにやっている贈与がときに特別受益に該当し、それはかなり以前であっても相続時の価額(時価)で評価するという税法とは異なる考えがある。
生前贈与は私もよく使うが、将来の相続人間で不平等にならないように配慮する。特別受益が問題となることがある。

相続税申告は大した問題もなく終わったが、代表相続人も60代後半。息子二人も30代後半。長男に軽い障害があり、両親(今回の代表相続人とその配偶者)と3人で暮らしていた。
そこへ弟の家族がリフォームして同居の予定と聞く。
「これはどうしたものか?」
私の提案は、家屋については父から二男に贈与して全部持ち分として、住宅ローンを通しやすくする。
土地は長男に贈与する。兄弟間は使用貸借とする。
借地借家法によれば、建物の所有を目的として地代を払うという条件がそろって借地権が発生する。本ケースでは借地権は発生しない。

将来万が一、次男やその家族が長男を粗末にするのであれば、立退きを求めることが可能だ。
私が生前対策をするときは、
①贈与税、不動産取得税等がかかってもやむを得ないということ、さらに相続時精算課税制度も慎重に検討して活用する。
②大事なことは子供の配偶者を除いたところで、家族会議で十分話し合っていただく。
③障害がある方や現在および将来において事理弁識能力が欠けると思われる方には生活の保護のために成年後見人も考える。

私が受ける相続税案件は単発で終わらず、二次相続の相談まで及ぶことがほとんどである。
二次相続税の試算も行う。毎年の贈与税申告につながることがある。行政書士の立場として遺言のサポートもする。

私が生前対策を重視するのには理由がある。
それは3年にわたる弟との遺産分割調停を経験したからだ。
亡くなった父は85歳で家督相続的な考えがあった。母も同じく。

遺言はタブー視する。弁護士からの一言が忘れられない。
「調停になると縁を切ることになる。それでいいのだね」
対し私は
「それは覚悟しています。早く年老いた母を安心させたいのです。」

誰よりも円満な相続、笑顔相続が大事なことは肌身で分かっている。
私の関係者にそんな思いをさせたくないのが信条である。
私の生前対策のスキームは調停での経験がベースにある。


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