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【vol.137】相続税の税務調査の勘所

税理士の前島と申します。
全国展開している税理士法人の札幌支店長を務めております。
金融機関様、他士業者様からのご紹介などを中心に、毎年多くの相続税申告を手掛けております。

数多く手掛けておりますと、税務署の調査に立ち会う機会もそれなりにございます。
この仕事を長年やっておりますと、この案件は調査対象となるかどうか、およそ申告前に分かります。早ければ初回面談で察することもあります。
ご相続人皆さまが善意の方々であり、何らの隠しごともなく全て情報開示してくださることを条件として、税理士法第33条の2の書面添付を付けております。

主なポイントは次のとおりです。
1.遺産総額2~3億円以上(所轄税務署による)
2.被相続人が医師、会社役員などステータスの高い職業であった
3.使途不明金が多く、金融資産が不相応に減少している
4.相続開始直前に大がかりな節税対策を実施している

上記1~2については、そもそもコントロールが効かないのでどうしようもありません。
国税庁にはKSKという膨大なデータベースが存在し、全国民の所得や不動産、金融資産に関する情報などが蓄積されております。
この人はこれぐらいの資産を持っているはずだ、というアタリは既に付いております。
そのアタリを下回る遺産額で申告すると、2~3億円未満でも調査対象となることは当然あり得ます。

3について。被相続人の過去5~10年間の履歴を精査していくと、数百万円超の出金があり、そのお金がどこに消えたか分からないことがあります。
性悪説に立ちますと、配偶者や子、孫などに資金を移しているのではないかと考えられます。
私の経験上、税務調査が入る原因はほぼ100%これです(有形資産の評価などが調査対象となった経験は極めて少ないです)。
税務署は国家権限がありますので、金融機関に立ち入り、取引時の出金伝票、ATMの防犯カメラ、家族名義の金融資産など全て調べ尽くします。
税理士には残念ながらそんな権限はありませんので、ご相続人に知らぬ存ぜぬを貫かれてしまうとどうしようもありません
ここで道徳論を述べるつもりはありませんが、素人の浅知恵は必ずバレてしまうものだということ、贈与や名義財産といった最低限のリテラシーを持って頂くことが重要です。

最後に4ですが、資産税の経験豊富な税理士は、多くの裁判例などを読み込んでおりますので、この行為が税務上認められるかどうかの判断はおよそ付きます。
独断で進める前に、まず一度ご相談されることをお勧めします。


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