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【vol.65】相続Q&A~小規模宅地等の特例について~

質問

非同居親族が、被相続人が居住の用に供していた宅地等を相続した場合の小規模宅地等の特例いわゆる“家なき子”の取り扱いについて、本年度の改正でこれまでとどう変わったか教えてください。

回答

被相続人が生前に自己の居住用に供していた宅地等について、小規模宅地等の特例を受けるためには、
その宅地等の取得者が、①被相続人の配偶者、②被相続人と同居していた親族、そして③持ち家がない被同居親族のいずれかの者でないといけません。

このうち③については、改正前まで「持ち家がない」ということの定義が「相続開始前3年以内に自己または自己の配偶者の所有する家屋に居住したことがないこと」とされていました。
しかし、最近では本来家なき子でない者が半ば強引に家なき子になる「家なき子成り」のケースが相次いだことから、今回の改正で、以下の2要件が追加されました。

・相続開始前3年以内に3親等内の親族又は特別の関係にある法人の所有する家屋に居住したことがない
・相続開始時に居住する家屋を過去に所有していたことがない

したがって、平成30年4月1日以降に開始した相続について、家なき子に該当するためには、これら3つの要件のすべてを満たすことが必要になります。

教訓

本改正により「持ち家を自分の子に贈与」、「持ち家を同族会社に売却」、「親に買ってもらった家に住む」などといった改正前までは家なき子に該当したケースが、改正後は該当しないこととなりました。
ただ、今回の変更は、制度の主旨が変わったわけではなく、制度の主旨に実態が合うようにしたものです。

相続診断士として、正しい知識と見解をもって、相談者に臨むようにしましょう。

 

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