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【vol.36】付言事項で思いを伝える

ひかり税理士法人の相続診断士の鎌田です。
皆さんは付言事項をご存知でしょうか?

 

これは専門用語なので、少し説明しておきます。
実は、遺言書は、法律上の効力を持つ部分と持たない部分とに分かれています。

 

法律上効力を持つ部分を「遺言の本旨」と言います。

遺言の本旨は、たとえば「配偶者には○○を渡す」「子どもには□□を渡す」と言うように書き方が決まっており、公正証書遺言の場合は、どんな書き方をすれば有効になるかについて公証人と打合せをしながら作成をしていきます。

 

一方、法律上の効力を持たない部分を「付言事項」と言います。

付言事項には、遺族の方へのメッセージなどを記載することができます。付言事項は効力を持たないので書き方は自由です。我々が相談を受ける際には、この付言事項もよく考えてもらうようにご提案をしています。

 

というのも、何故このような遺言書を作ったのか、今後財産をどうしていってもらいたいのか等を付言事項に書き残しておくと、想いをより伝えることができるからです。たとえば、遺産で不動産をもらってもその不動産をすぐ売っていいのか、それともずっと持っていてもらいたいのか、もらった側はなかなか分からないと思います。このように、付言事項を活用することで、より相続トラブルを避けることができると思います。

 

 

事例

 

実際、私が取り扱った案件でも「夫婦の思い出が詰まった家なので、3回忌が終わるまでは維持をしてほしい」と付言事項に記載したケースがありました。

 

私がこれまでに取り扱った案件の中で印象に残っているのは、ご依頼者が余命宣告を受けておられた方で、奥様とお母様が相続人になられたケースです。この方は、献身的に看病をしてくれた奥様と、これまで育ててくれたお母様へのメッセージを遺されました。遺言作成の際には、付言事項を含めて公証人が全文を読み上げるのですが、思いのこもったメッセージに、思わず証人の私が泣きそうになりました。

 

このように、付言事項は自由な書き方ができますが、いくつか注意点があります。

例えば、お葬式の希望を書く人がおられるのですが、遺言書の内容を確認するのは死亡後すぐとは限りません。一通りお葬式などが終わってからになるケースが多いため、内容を確認したときには既にお葬式が終わっていた・・・ということもありえます。
ですので、希望したお葬式をしてもらうためには、予めお葬式の予約まで自分でしておくか、もしくはご家族にハッキリと希望を伝えておく必要があります。

 

なお、相続人がいない場合には、死後事務委任契約といって、お葬式などの段取りを生前に公正証書で契約しておくことも有効です。
中には、遺言書を作ることを「揉めているから恥ずかしい」と敬遠する人もいますが、決してそうではありません。相続人に気持ちを伝えることが大切であり、一番その気持ちが伝わるのが付言事項なのです。

 

ですので、笑顔相続を実現させる要は付言事項にあると思います。

 

>>ひかり税理士法人

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