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【vol.33】『相続』で結び直された家族の絆

皆様、こんにちは。
竹村高志税理士事務所/岡山・倉敷相続サポートセンター税理士の竹村高志と申します。岡山市を中心に年間300件の相続相談を受けておりますが、その中から笑顔相続の事例をご紹介したいと思います。 

 

事例

 

お父様が亡くなられ、相続人はお母様とご長女、ご長男の3人。ご長男は海外勤務で日本に不在のため、一時帰国しているご長男の奥様が相談に来られました。 

 

相談内容は相続税申告の依頼でしたが、相談者は大きな悩みをかかえられていました。実は相続人であるご長女と30年ちかく音信不通で、相談者も一度も会ったこともない、このような状態で申告はできるのかということでした。相談者はすでに弁護士事務所にも相談をされており、調停することを前提に考えられていました。もちろん、分割協議が申告期限までに整わなくても申告は可能ということをお伝えしましたが、何とか良い方向で解決できれば・・という気持ちでした。

 

しばらくして一時帰国の時期が近づいたころ、ご長男より「せっかく日本に帰国するので、姉の住所を訪ねてみようと思う。会えるか分からないが協議書を持っていってみようと思うので相談にのってほしい。」との連絡がありました。 

 

それから帰国された数日後、「無事に姉に会うことができ、合意できた。」との報告がありました。ご長男の2週間の滞在期間中に、申告書の提出、納税、金融機関等の手続きと急いですすめていきました。それをみていたお母様は、自身の相続の時にまたこんなに大変になってはと、公正証書遺言を作成されました。時間もない中、日程調整にはご無理を言いましたが、すべての手続きが終わるとお母様もご長男も安堵された表情になりました。ご長男は「無事に終わりよかったです。次の相続の心配事がなくなりました。」と安心して、出国されました。

 

このご家族が分割協議で合意した内容は、すべてお母様が相続するとの内容でした。ご長女は「私は何もいらないので二人で分けてほしい。」と言われたそうで、それを聞いたご長男は「お姉さんがもらわないなら、自分も相続しない。」と話をされたそうです。二次相続を考えると相続税に関しては決して有利な方法ではなく、もちろんご家族もこのことはご理解いただいていました。それでもその選択をされたということにお互い家族を思う気持ちを感じました。

 

相続をきっかけに家族と争うようになってしまった・・という相談を受けることはたびたびありますが、相続をきっかけに家族が再会することができ、またひとつになることができたことをとても嬉しく思うと同時に亡くなられたお父様も安心できたのではないかと思う事例でした。

 

 

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